2020.12.13 - Songwriter
Walking In The Rain Walking In The Rain
Barry White

(1972)

(2020年12月13日SSB「疫病退散!年忘れリクエスト大会」で、Love Unlimited "Walkin' In The Rain (With The One I Love)" がかかりました。Songwriteシリーズ2017年3月16日分をアップグレードして再アップします。)

Songwriterシリーズ
Barry White を取り上げます。特にあまり聴く機会の少ない1960年代の作品を中心に聴いていきたいと思います。

Barry White は1944年テキサス州ガルヴェストンで生まれましたが、ロサンジェルスで育ちました。 "Earth Angel"の作者でも有名なシンガー、Jesse Belvin が近所に住んでいたそうで、1956年のヒット "Goodnight My Love"でピアノを弾いたのが、Barry White という逸話が残っています。まだ Barry White は11才か12才辺り。この話、ちょっと怪しい気もしますが。

10代の頃は不良仲間と付き合うようになり、窃盗の罪で投獄され、刑務所の中で Elvis Presley の歌声を聴いて音楽の道に進もうと決断したとのこと。出所後の1960年初頭に The Upfronts という Doo Wop グループに参加。ベースパートを担当しました。

同時に曲書きを行うようになり、Del-Fi Records を主宰していた Bob Keane にその才能を見い出されます。Del-Fi Records の傘下の Bronco Records でガールシンガー、ガールグループ中心に楽曲提供するようになります。
1963年には Bob & Earl の "Harlem Shuffle" のセッションで、後に重要なパートナーとなるアレンジャー Gene Page と出会っています。

1972年、Barry White は姉妹、従兄弟で結成された女性3人組、Love Unlimited をプロデュース。同年、Barry White のペンによる "Walking in the Rain with the One I Love" がヒット。
1973年にはソロアーティストとしてアルバム『I've Got So Much to Give』をリリース。同年、The Love Unlimited Orchestra 名義でインストアルバムを制作。
シングルカットした "Love's Theme" は国内U.S. R&Bチャートのみならず、世界中でヒットし、ゴールド・ディスクに輝きます。


It Took Time(Sexton-Johnson-Sexton)(featuring Barry White on Bass) / Upfronts(1960)

1960年、Barry White が参加していた Doo Wop グループ The Upfronts。Barry White はベースパートを担当したそうです。低音の魅力はボーカルは当時から発揮されていたようです。


Ring Around My Rosie(Smith-Hudson-Smith) /Gene Carter(aka Barry White)

リリース時期は不明ですが、Barry White が Gene Carter 名義でリリースしたシングル。作詞作曲は Barry White ではありませんが、ここでも低音の魅力発揮です。クレジットに" Accompanist : Jim Messina " とあります。


Lost Without the Love of My Guy(Barry White-Ronnie Goree) / Viola Wills(1966)

リリース先のBronco Records はDel-Fi Records 同様、Bob Keane が主宰していたレーベル。Viola Wills はセッションシンガーだったようで、Barry White が本格的に手掛けた女性シンガーです。


I Feel Love Comin On(Barry White-Paul Politi) / Felice Taylor(1967)

I Feel Love Comin On(Barry White-Paul Politi) / Love Unlimited Orchestra(1974)

1967年、Bronco Records からリリース。Felice Taylor はかつて姉妹と一緒に The Sweets というグループで歌っていました。初期の Barry White が手掛けたものでは最もヒットした曲。イギリスでヒットしたようです。後に1974年に Love Unlimited Orchestra でも取り上げられます。


This Thing Called Love(Barry White-Ronnie Goree) / Johnny Wyatt(1967)

このナンバーも Bronco Records からのリリースで、アレンジを含め、全面的に Barry White が手掛けています。Johnny Wyatt は Doo Wop グループ Rochell and the Candles のリードシンガーだった人です。


I'm Under the Influence of Love(Barry White-Paul Politi) / The Apollas(1967)

1967年リリース作品。The Apollas は1963年にレコードでデビューした3人組。メンバーに アレンジャーで知られる H.B. Barnum の妹の Billie Barnum が所属していました。聴いてわかる通り、この頃はモータウン・サウンド、特に The Supremes を意識した音作りになっています。アレンジは Gene Page が担当しています。


Oh Love (Well We Finally Made It)(Barry White) / Smoke(1972)

1972年リリース作品。この頃になると Barry White らしいグルーヴが出ています。同年、Love Unlimited も取り上げました。Smoke というグループには、Bob & Earl のメンバーだった Earl Nelson が所属していました。


Walkin' In The Rain (With The One I Love) (Barry White) / Love Unlimited(1972)

1972年MCA 傘下の Uni Records(Universal City Records)からリリース。冒頭の雨降る街のSEが印象的です。メンバーの Glodean James は後に Barry White の奥さんとなります。


Gene's Theme(Barry White) / Gene Page(1974)

西海岸を代表するアレンジャー Gene Page が1974年にリリースしたソロアルバム『Hot City』に収録されていた曲。長年、アレンジを担当してきた Gene Page に捧げた曲となっています。


September When I First Met You(B. White-E.Brown-F.Wilson-P.Politi) / Barry White(1978)

最後に Barry White のボーカル曲を。1978年リリースのアルバム『THE MAN』に収録されたミディアム調のしっとりとしたナンバー。Barry White は2003年に亡くなりました。まだ58歳の若さでした。


Barry White に関しては以下も参照ください。Bayou(Barry White) / The Love Unlimited Orchestra(1981)


* Barry White と Love Unlimited の3人



(富田英伸)

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