2021.01.04 - Songwriter | ||
Graduation Day
Joe Sherman-Noel Sherman (1956) |
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(2021年1月3日、SSB「新春放談」で、Joe Sherman-Noel Sherman 兄弟の話題が上がりました。Songwriteシリーズ2018年1月29日分をアップグレードして再アップします。)
(2018年1月28日、SSB「棚からひとつかみ&リクエスト」で、大好きな曲、Paul Anka "Eso Beso" がかかりました)
Songwriterシリーズ、
今回は Joe Sherman-Noel Sherman を取り上げます。
Joe Sherman-Noel Sherman は兄弟で活躍したソングライターチームですが、ディズニー映画中心に活躍した映画音楽家、Sherman Brothers (Robert B. Sherman、Richard M. Sherman)とちょっと混同されやすく、まったく別の兄弟ソングライターチームです。
兄の Joe Sherman は1926年、ニューヨーク生まれ、弟の Noel Sherman は1930年、ニューヨーク生まれの4つ違いの兄弟です。いわゆる、ブリルビル世代の作家より、ちょっと上の世代に当たります。詳しいバイオ等は不明ですが、基本的に兄の Joe Sherman が作曲、Noel Sherman が作詞を手掛け、1950年代中期に音楽業界入りしています。
1954年に人気歌手 Patti Page に "Everlovin'" という快活な楽曲を取り上げ、人気を博します。後に当時流行ったマンボなどを取り入れ、ダンスミュージックを多く手掛けます。
1956年に 4人ボーカルグループ、The Four Freshmen に "Graduation Day " を提供。後述しますが、その後多くのカバーが生まれ、2人の代表曲となります。
1957年には、Nat King Cole に "To The Ends Of The Earth" を提供。その曲が接点となって、1960年代に入っても Nat King Cole に楽曲をいくつか提供していくようになります。
1950年代後半から、2人は別々の道に進みますが、当時流行のポップスとの接点が出てきます。1960年、兄の Joe Sherman は Anders-Poncia が在籍していた Doo Wop グループ The Videls の楽曲、" Now That Summer Is Here" をアレンジとプロデュースを担当。またアレンジャーとしても活動し、特に Paul Anka の楽曲のアレンジを多く担当します。
弟の Noel Sherman について触れておきます。
1958年に Noel Sherman は若き作曲家、Jack Keller と組んで、Perry Como に "Beats There A Heart So True " を書きます。The Poni-Tails に "Seven Minutes in Heaven" という曲を提供。その後も Jack Keller と組んで、The Kalin Twins にも楽曲を提供していきます。
1958年には、Jack Keller を通じて音楽業界入りしたばかりの Barry Mann と組んで、俳優の Sal Mineo に " I'll Never Be Myself Again " という楽曲を書いています。歌唱力のあった Barry Mann が 1959年にリリースした "All The Things You Are" は、Jack Keller-Noel Sherman の楽曲でした。
このように、Noel Sherman は Aldon Music 設立以前に 1960年代に花開く、"ティーン・ポップス"の黎明期において、Jack Keller や Barry Mann など新進の若い作曲家を支えた重要な人物でした。また、いわゆるティンパンアレイ全盛時代とブリルビル時代を結びつ付けた作詞家とも言えると思います。
今回は作曲を手掛けた Joe Sherman を中心にいくつか聴いていきたいと思います。
Graduation Day(Joe & Noel Sherman) / Four Freshmen(1956)
"卒業" のことを歌った名曲。Joe & Noel Sherman の代表作です。Four Freshmen としても代表曲と言っていいでしょう。その後多くのカバーが生まれましたが、ロックンロール世代の多くの人は The Beach Boys のバージョンでこの曲を知ることになります。
Eso Beso (That Kiss!) (Joe & Noel Sherman) / Paul Anka(1962)
Paul Anka 向けに書かれた曲ではないですが、当時、Joe Sherman は Paul Anka の多くの楽曲のアレンジを担当したので、この曲を取り上げたのだと思います。SSBでもコメントあったように、実に気持ちいい上手い歌唱です。アレンジももちろん、Joe Sherman が担当しています。
That Sunday, That Summer(George David Weiss-Joe Sherman) / Nat King Cole (1963)
Songwriterシリーズ、George David Weiss の項でも登場した曲。Joe Sherman と George David Weiss の共作曲です。Joe Sherman とGeorge David Weiss は当時、Weiss/Sherman Production を設立し共作していたようです。
この曲、2017年8月6日のSSBでもオンエア。とってもうれしかったです!僕も大好きな"夏"の Favorite Song。
Toys In The Attic(George David Weiss-Joe Sherman-George Duning) / Joe Sherman and His Orchestra and Chorus(1963)
Toys In The Attic(George David Weiss-Joe Sherman-George Duning) / Jack Jones(1963)
『欲望の家』(TOYS IN THE ATTIC、1963)のタイトルバック
George David Weiss との共作曲をもう1曲。1963年公開のアメリカ映画『欲望の家』(TOYS IN THE ATTIC)のテーマ曲。この映画はジョージ・ロイ・ヒル(George Roy Hill)監督のデビュー作だそうです。どこかメランコリックなメロディー。
サウンドトラックの Joe Sherman 自身 のバージョンと Jack Jones のカバーバージョンを合わせて。ちなみに Jack Jones のバージョンはシングル "Wives And Lovers"(David-Bacharach)のB面に収録されました。
そして、映画『欲望の家』のタイトルバックを。イヴェット・ミミュー(Yvette Mimieux)が夜の街を歩く素敵なタイトルバックです。
That Certain Party In Apt. 14C(George David Weiss-Joe Sherman) / Joe Sherman and His Orchestra And Chorus(1964)
この曲も George David Weiss との共作曲。Joe Sherman によるオーケストラとコーラス・アレンジがとっても素敵です。Joe Sherman And His Orchestra のアルバム『That Certain Party In Apt. 14C 』に収録。元々はドラマの挿入歌のようです。