2021.03.05 - Songwriter
Beyond The Wall of Sound Volume 2 Beyond The Wall of Sound Volume 2
Various Musicians

(2021)

(2021年3月7日SSB「ひなまつりガール・シンガー、ガール・グループ、ウォール・オブ・サウンドしばりで棚からひとつかみ」放送予定にあわせて、今回も引き続き "ウォール・オブ・サウンド" にスポットを当ててみます)

Songwriterシリーズ
Phil Spector の Philles Records からリリースされたいわゆる、"ウォール・オブ・サウンド"。「Songwriterシリーズ番外編」として、今回も"スペクター・イミテーション" を取り上げてみます。その第2弾、"Beyond The Wall of Sound Volume 2" です。

今回の2回目は1960年代にリリースされた Philles Records 直系のガールシンガー、ガールグループを取り上げていきます。今回もアレンジや音質を抜きにしても、綺麗なメロディーをした曲を中心に選んでみました。


Close Your Eyes(Gary Zekley-Jerry Riopell)/ Bonnie(1965)

1965年、Warner Bros Records からリリースされた作品。曲を書いたのは、前回も登場した Gary Zekley と Wrecking Crew のキーボード奏者として活躍していた Jerry Riopell です。アレンジ、プロデュースも Jerry Riopell。録音も Philles Records の本拠地であった Gold Star Studio で行われています。歌っている Bonnie とは Philles Records の子レーベルの Phi-Dan Records から "Home Of The Brave" をリリースした Bonnie and The Treasures のリードシンガー、Bonnie こと Charlotte O'Hara です。明るい溌溂とした曲です。


Dream Baby(Sonny Bono) / Cherilyn(1964)

1964年、Imperial Records からリリースされた作品で、これも Gold Star Studio で録音が行われています。曲を書いたのは Sonny Bono。 Phil Spector の良き相棒として、Philles Records でも働いていました。アレンジは Gene Page が担当しています。歌った Cherilyn は後に Cher と名を変え、Sonny Bono と結婚、Sonny & Cher のデュオチームとして活動、後に女優としても大成します。


Oh What A Night For Love(Marty Cooper) / The Victorians(1964)

1964年、Liberty Records からリリースされた作品で、これもGold Star Studio で録音が行われています。曲を書き、プロデュースをしたのは Marty Cooper という人で、Stevie Wonder の "Hey, Harmonica Man" の作者として知られている人で、Jack Nitzsche の "Lonely Surfer " の共作者でもあります。アレンジを担当したのは Perry Botkin Jr。The Victorians とはリードボーカルの Gloria Jean Hargis にコーラスグループ、The Blossoms が加わったスタジオグループのようです。


A Girl In Love Forgives(Howard Greenfield-Helen Miller) / Bernadette Castro(1964)

1964年、Colpix Records からリリースされた作品。曲を書いたのは Helen Millerと Howard Greenfield。アレンジを担当したのは Charles Callelo。したがって、東海岸産の "ウォール・オブ・サウンド" だと思います。歌っている Bernadette Castro は1961年辺りから活躍している女性シンガーです。Helen Miller らしい優しいメロディです。


Let Me Get Close To You(Gerry Goffin-Carole King) / Beverly Warren(1965)

1965年、Rust Records からリリースされた作品。The Tokens が所属していた Bright Tunes Music の製作です。曲を書いているのは Carole King。歌っている Beverly Warren は Jeff Barry と Ellie Greenwich と一緒にスタジオグループ、The Raindrops 名義で活躍していた女性シンガーです。バックコーラスは Carole King と親しい間柄の The Cookies が担当したとのこと。この曲は Skeeter Davis も1964年にリリースしています。Carole King らしい前向きな曲です。


My Baby Looks, But He Don't Touch(Carol Connors-Roger Christian) / Carol Connors(1966)

1965年、Mira Records からリリースされた作品。Phil Spector が組んでいた The Teddy Bears のメンバーであった Annette Kleinbard こと Carol Connors と The Beach Boys の作詞で知られる Roger Christian との共作曲。
The Teddy Bears の "To Know Him Is To Love Him" のリードボーカルをとった Carol Connors が歌っています。プロデュースは同じく The Teddy Bears のメンバーだった Marshall Leib がプロデュースした作品で、録音も Gold Star Studio で録音されています。アレンジは後に Three Dog Night、Steppenwolf などを手掛けることになる大物プロデューサー、Richard Podolor が手掛けています。


I Want That Boy(Dennis Lambert-Louis Pegues) / The Chantelles(1965)

イギリス録音のものを1つ。1965年にリリースした作品。同年、Priscilla Mitchell(Jerry Reed の奥さん)が Sadina 名義でリリースしたものがオリジナルです。曲を書いたのは、Dennis Lambert-Louis Pegues チームです。アレンジは Alan Tew が担当しています。歌っている The Chantelles は Dusty Springfield こと Mary O'Brien が在籍した The Lana Sisters のメンバーだった Riss Chantelle を中心とした3人組のガールグループです。


Don't Drop Out(Bobby Russel-James "Buzz" Cason) / Dolly Parton(1966)

1966年、後にカントリーシンガーとして大成する Dolly Parton が歌った作品。曲を書いたのは、Bobby Russell と James "Buzz" Cason との共作曲です。プロデュース、アレンジはシンガーでもあった Ray Stevens が当たっています。


* The Teddy Bears、左から Phil Spector、Carol Connors(Annette Kleinbard)、Marshall Leib(3人共、"ウォール・オブ・サウンド" に関わっていくことになります)


(富田英伸)

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