2021.03.19 - Magic Voice
|
|
|
Good, Good Lovin'
The Blossoms Stories Part 2
(1967)
|
|
Magic Voicesシリーズ、
女性ボーカルグループ、『The Blossoms Stories』の第2回目です。
第2回:1967年以降、The Blossoms がリリースした作品
1958年に The Blossoms に加入した Darlene Love は、声量があったため、The Blossoms のリードを取ることが多くなっていきます。そのボーカル力は西海岸のミュージシャン、プロデューサー、アレンジャー達に注目されるようになり、The Blossoms は自分達以外のセッションに呼ばれるようになります。またそこで各プロデューサー達の意向で、The Blossoms 以外のグループ名を名乗ってレコーディングに参加。そのため、The Blossoms 自身もスタジオワーク毎にメンバーが入れ替わることも多く、数名のシンガーが出入りするようになってきます。Darlene Love の妹、Edna Wright もその1人です。Edna Wright は後に Holland–Dozier–Holland が結成したガールソウルグループ、Honey Cone に加入しました。
The Blossoms(1962-1964):
Fanita James
Darlene Love
*以下のメンバーがセッション毎に入れ替わり参加
Edna Wright(Darlene Love の妹)
Gracia Nitzsche(Jack Nitzsche の奥さん)
Carolyn Willis
1960年前半、The Blossoms はスタジオでのコーラスグループとして知名度が定着。毎日、スタジオで他のミュージシャン達のためのコーラスワークに追われる日々で、The Blossoms としてレコーディングすることは殆どありませんでした。
1960年中期頃になると、The Blossoms はレコード業界内での知名度も上がったこともあり、コーラスワーク以外でも、新たに Reprise Records や Ode Records から The Blossoms 名義のシングルをリリースするようになります。そこで新たな定常的なメンバーとして、Jean King が加わります。
The Blossoms(1964-1974):
Fanita James
Darlene Love
Jean King
また The Blossoms はレコーディングだけでなく、当時の人気テレビ音楽番組『Shindig!』などにレギュラー出演し、多くのシンガー達のバックコーラス担当としてお茶の間でもお馴染みになります。
写真:テレビ音楽番組『Shindig!』に Jackie Wilson、Righteous Brothers らと一緒に出演中の The Blossoms
1974年に、Darlene Love がグループを離れ、Jean King が1983年に亡くなりました。しかし現在においても、The Blossoms はオリジナルメンバーの Fanita James を中心に活動を続けているようです。
第2回目では The Blossoms が1967年から1972年までリリースした作品を順を追って聴いてみたいと思います。
Good, Good Lovin'(Barry Mann-Cynthia Weil) / The Blossoms(1967)
Good, Good Lovin'(Barry Mann-Cynthia Weil) / The Blossoms(Live)
1967年、Reprise Records からの続いてのシングル。曲は Barry Mann-Cynthia Weil チームによるもの。前回と同じく Jimmy Bowen がプロデュースを担当、アレンジは Ernie Freeman です。The Blossoms の代表曲といってもいいと思います。テレビ音楽番組『Shindig!』のライブの模様が残っているので、それも合わせて。
Stoney End (Laura Nyro) / The Blossoms (1967)
The Fifth Dimension 以前に、Laura Nyro の楽曲に目をつけた人に Lou Adler がいます。1967年、 The Blossoms のシングルをプロデュースし、
Laura Nyro のペンによる "Stoney End" を取り上げます。翌年1968年、Lou Adler は女優の Peggy Lipton をプロデュースし、デビューアルバム『Peggy Lipton』で "Stoney End" と "Hands Off The Man (Flim Flam Man)" を取り上げます。その時、バックコーラスを担当したのも、The Blossoms でした。
(You're My)Soul And Inspiration(Barry Mann-Cynthia Weil) / The Blossoms (1970)
Night Time Is The Right Time(Herman-Brown-Cadena) / Righteous Brothers and The Blossoms(TV Live)
1970年代に入ってからの作品。Righteous Brothers のレパートリーで知られる Barry Mann-Cynthia Weil が書いた曲です。このシングルのプロデュースはその Righteous Brothers の Bill Medley が行いました。
その Righteous Brothers と The Blossoms が共演したテレビ音楽番組『Shindig!』の映像が残っていますのでそれも合わせて。ソロを Bill Medley、Bobby Hatfield、Darlene Love、Fanita James、Jean King の順番で回していきます。
Don't Take Your Love(Barker-Currant-Davis-Lately) / The Blossoms (1970)
プロデュースにメンフィスを拠点に活躍する Chips Moman を迎えて録音された作品。ゴスペル色が強い曲でボーカルに説得力があり、聴きごたえのある作品です。
Break Your Promise (William Hart-Thom Bell) / The Blossoms (1970)
今度はうって変わって、フィラデルフィアサウンドです。The Delfonics のレパートリー曲を歌っています。プロデュースはその The Delfonics を担当した Stan Watson で、アレンジはこの曲を書いた
Thom Bell です。
Cherish What Is Dear To You (Bond-Holland-Dozier) / The Blossoms(1972)
The Blossoms は長らくオリジナルアルバムをリリースしませんでしたが、1972年に初のデビューアルバム『Shockwave』をリリースしました。時代はディスコの全盛時代、Holland-Dozier チームが曲を書きました。アレンジは。Gene Page が担当しています。
(富田英伸)
シェアする