2021.03.25 - Magic Voice
Johnny Angel Johnny Angel
The Blossoms Stories Part 3

(1963)

Magic Voicesシリーズ
今回は女性ボーカルグループ、『The Blossoms Stories』の第3回目です。

第3回:The Blossoms がコーラス参加した作品

Darlene Love が加入した1958年頃から、The Blossoms は徐々に、Darlene Love がリードを取った楽曲がリリースされるようになります。しかし、ヒットチャートに上がることはなく、The Blossoms は他のシンガーやミュージシャン達のバックコーラスを担当することが多くなっていきます。

1961年に Philles Records を立ち上げたばかりのプロデューサー Phil Spector は、翌年、同レーベルに属している The Crystals のシングル "He's A Rebel" の録音の際、遠征ツアーに出ていた The Crystals の代わりに The Blossoms を呼び、リードシンガーに Darlene Love を起用し録音します。そのことは The Crystals のメンバーには知らされず、Darlene Love の声のまま、The Crystals 名義の"He's A Rebel" のシングルがリリースされます。

これは同時期 Liberty Records が Vikki Carr のデビューシングルに同曲をリリース予定しており、Phil Spector はこれと競作となることを恐れ、急いでリリースする必要があったためだと伝えられています。

ちなみに Vikki Carr 側のプロデューサーは Snuff Garrett でした。Philles Records の The Crystals 名義の "He's A Rebel" は Billboard Hot 100 の1位を記録、チャート的にも勝利を収めます。

The Crystals "He's a Rebel" Vocals Personnel
Darlene Love (The Blossoms)
Fanita James (The Blossoms)
Gloria Jones (The Blossoms)
Edna Wright (Darlene Love の妹、後に The Blossoms に加入)
Jean King (1964年に The Blossoms に加入)
Gracia Nitzsche (Jack Nitzsche の奥さん、後に The Blossoms に加入)
Bobby Sheen (後に Bob B. Soxx & the Blue Jeans に加入)

He's a Rebel (Gene Pitney) / The Crystals (1962)

Phil Spector は以降、レコーディングの際、積極的に The Blossoms を起用していくことになります。Philles Records は1962年に Darlene Love、Fanita James、そして男性の Bobby Sheen で、Bob B. Soxx And The Blue Jeans を結成、数枚のシングルとアルバム1枚をリリースします。


*Bob B. Soxx And The Blue Jeans (Darlene Love、Fanita James、Bobby Sheen)


その後、The Blossoms は Philles Records だけでなく、その実力を買われ、西海岸のミュージシャン、プロデューサー達が起用するようになります。

ほんの一部になりますが、The Blossoms がコーラス参加した作品を聴いていきたいと思います。曲を書いた各作者についても注目です。


I Don't Wanna Lose Ya (Hal David-Leon Carr) / Jimmy Darren (1959)

1959年、俳優でもあった Jimmy Darren がリリースしたシングル。曲は Leon Carr が書いています。The Blossoms は "4 Blossoms" 名義でクレジットされています。


Johnny Angel (Lyn Duddy-Lee Pockriss) / Shelley Fabares (1962)

The Blossoms がバックコーラスで参加した曲で一番、有名な曲だと思います。1962年、この楽曲は Billboard Hot 100の1位を獲得。曲は Lee Pockriss が書きました。プロデュースとアレンジは Stu Phillips。


Mexican Drummer Man (Scott Turner) / Herb Alpert & The Tijuana Brass (1964)

1964年、Herb Alpert & The Tijuana Brass がリリースしたシングル。ドラムスは Hal Blaine 。その Hal Blaine と The Blossoms との共演が聴きどころです。

I Stand Alone (Al Kooper) / Al Kooper (1968)

1968年に Al Kooper がリリースしたアルバム『I Stand Alone 』から表題曲。Al Kooper が The Blossoms のコーラス実力を買って、ニューヨークまで呼び寄せ、録音したものと思われます。


Happier Than the Morning Sun (Stevie Wonder) / B.J. Thomas (1972)

1972年、B.J.Thomas のアルバム『Billy Joe Thomas』から。Stevie Wonder の曲で、Stevie Wonder のハーモニカをフューチャーししています。後半部分から The Blossomsのコーラスが聴くことができます。


(富田英伸)

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