2021.05.29 - Songwriter | ||
Warm
Jimmy Krondes (1957) |
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(2021年5月24日SSB「棚からひとつかみ」で、Jimmy Krondes が書いた Johnny Mathis "Warm" がかかりましたので)
Songwriterシリーズ、
今回は Jimmy Krondes という人を取り上げたいと思います。
Jimmy Krondes は殆ど知られていませんが、1950年代中期から活動した作家です。当初はポピュラーボーカリストのために曲を書いていましたが、当時流行り出した、Doo Wop、黎明期のティーンズポップスなどの分野においても楽曲を書いてきた人です。作品数は多くありませんが、心に残るメロディを2曲、遺しました。
Jimmy Krondes についての詳細バイオグラフィは殆ど不明ですがわかる範囲で。1925年、ニューヨーク生まれ。第二次世界大戦中は航空士官として従事、戦後はRKO映画社で営業の仕事をしていたそうです。その後、作曲家に転身します。Jimmy Krondes は1983年に亡くなりました。
1957年からに1958年にかけて Jimmy Krondes は多くの人に歌い継がれていくことになる2曲を発表します。1曲は Johnny Mathis の3枚目のアルバムとなる『Warm』に表題曲、"Warm"。そして、Earl Grant に提供した "The End" です。まずは "Warm"から聴いていきたいと思います。
Warm(Jimmy Krondes-Sid Jacobson) / Johnny Mathis With Percy Faith And His Orchestra(1957)
Warm(Jimmy Krondes-Sid Jacobson) / The Four Freshmen(1958)
Columbia Records からリリースされた Johnny Mathis の3枚目のアルバムとなる『Warm』のA面1曲目に納められました。演奏は Percy Faith And His Orchestra です。美しいメロディはJohnny Mathis のしなやかなボーカルによってより際立ちました。詩を書いた Sid Jacobson という人は後に、マーベル・コミックスの編集長になりました。
翌年の 1958年には The Four Freshmen がアルバム『Voices In Love』で取り上げます。アレンジ・コンダクトは Dick Reynolds です。"Warm" はその後、The Skyliners なども取り上げられます。
続いて、"The End" を。この曲はタイトルが "The End (Of A Rainbow)" となっていることもあります。
The End(Jimmy Krondes-Sid Jacobson) / Earl Grant(1958)
The End(Jimmy Krondes-Sid Jacobson) / Nancy Sinatra(1966)
1958年、ピアニスト、オルガン奏者でもあった Earl Grant に提供した楽曲です。Charles "Bud" Dant によるアレンジ、コンダクト。 Billboard Hot 100 の7位となりました。その後、Gene McDaniels も取り上げていますが、今回は僕がこの曲を初めて聴いた、Nancy Sinatra のバージョンを。Nancy Sinatra がロンドンで録音したアルバム『Nancy In London』に収録されました。
Jimmy Krondes が書いた曲で、著名なものは以上の2曲ですが、その後、Doo Wop グループなどに楽曲を提供した曲を数曲、聴いてみたいと思います。
Valerie(immy Krondes-Paul Evans) / The Mello Kings(1958)
"Tonight-Tonight" で有名な White Doo Wop グループ、 The Mello Kings に提供した楽曲。詩を書いているのはシンガーでもあった Paul Evans です。
An Angel Up In Heaven(Jimmy Krondes) / The Del-Vikings(1962)
1960年代に入ってからの Doo Wop ナンバー。Chuck Jackson や Gus Backus、そしてフィラデルフィアのプロデューサー Stan Watson などを輩出した Doo Wop グループ、The Dell-Vikings に提供した楽曲。曲詩とも Jimmy Krondes のペンによる曲です。
Mrs. Santa Claus(Jimmy Krondes-Larry Kusik) / Bet. E. Martin(1961)
最後にちょっと変わり種のクリスマスソングを。チップマンクス風の仕掛で始まります。歌っている女性、Bet. E. Martin については詳細不明ですが、チャーミングな声をしています。アレンジは Chuck Sagle が施しています。詩を書いたのは 職業作詞家の Larry Kusik 。Burt Bacharach のクリスマスソング、 "The Bell That Couldn't Jingle" も書いた人です。