2021.09.30 - Magic Voice
So Much In Love So Much In Love
Marlena Davis

(1963)

(2021年9月19日SSB『棚からひとつかみ』で The Tymes "So Much In Love" がかかりました。ソプラノ・ボイスを担当した女性、Marlena Davis について)

Magic Voicesシリーズ
今回は Marlena Davis という女性シンガーを取り上げます。

Doo Wop ファンのみならず多くの人に愛された楽曲、"So Much In Love"。その後も、この曲を取り上げた人数知れず、多くのミュージシャンに愛される曲となりました。
1963年、オリジナルとなった The Tymes のバージョンですが、途中から女声ボーカルが聴こえてきます。とっても素敵なソプラノ・ボイス。この原曲の魅力の1つとなっています。

この女声ソプラノ・ボイスは Marlena Davis という女性シンガーが歌いました。The Tymes のセッションで彼女が参加した作品を数曲、聴いてみたいと思います。


Wonderland Of Love(Billy Jackson) / The Tymes(1964)

TheTymes が歌った曲の中でも最も好きな曲。メロディラインがとても美しい曲です。アレンジ手法は "So Much In Love" と同じですが、もしこれが "So Much In Love" よりも先にリリースされていたら、これがヒットしたと思います。リードボーカルの George Williams も素晴らしいですが、Marlena Davis のソプラノ・ボイスも清楚でこの曲を爽やかなものにしています。フィラデルフィアの音楽プロデューサー。Billy Jackson 単独クレジットの作品です。


Malibu(Dave Appell- Kal Mann) / The Tymes(1964)

The Applejacks 出身で Chubby Checker の"Let's Twist Again" などのダンスミュージックで成功を収めた David Appell がプロデュースした作品。西海岸の海岸都市を意識したようなメロディ。Marlena Davis のバックボーカルが涼しさを運んでくれます。


So Much In Love(Jackson-Williams-Straigis) / The Tymes(1963)

1963年、The Tymes の音楽プロデューサー、Billy Jackson、Roy Straigis、そして The Tymes のリードシンガーの George Williams が共作。1963年、US Billboard 100 の1位となり、多くのミュージシャンに愛される名曲となりました。途中から聴こえてくる Marlena Davis のソプラノ・ボイスがほんといい感じで入ってきます。冒頭の語りは、Billy Jackson とのことです。


Marlena Davis はフィラデルフィアで結成されたグループ、The Orlons のオリジナルメンバーだった女性です。

彼女が中学生時代に仲間の歌い出した頃は、女性ばかりのグループでしたが、高校時代に男声ボーカリスト、Stephen Caldwell が加わって、メンバー女性3人、男性1人となって、その頃から The Orlons と名乗り出したとのこと。高校時代の友人である、Dovells のリードシンガーの Len Barry から Cameo-Parkway Records のオーディション参加を勧められて、見事合格、プロの道に進みます。

The Orlons は1962年に Dee Dee Sharp がリリースした "Mashed Potato Time" のバックボーカルを担当。Billboard Hot 100 の2位となり大ヒット。それに続けと The Orlons も ダンスナンバー "The Wah-Watusi" をリリース。これがヒットとなり、彼女らの代表曲となります。リードボーカルは声量にパワーのある Rosetta Hightower が歌っています。Marlena Davis は1stソプラノを担当しています。

以降、The Orlons は Cameo-Parkway Records の意向で、当時流行だったダンスミュージックをリリースするようになり、リードボーカルはパワーのある Rosetta Hightower がリードボーカルを執っていきます。

Marlena Davis は1963年にグループを脱退しています。これまで聴いてきた The Tymes のセッションはちょうど彼女が脱退した時期に録音されたものになります。

遡って、1961年、The Orlons のデビュー当時はグループの将来が未確定で、ダンスナンバーは歌っていませんでした。デビュー曲は Marlena Davis がリードボーカルを執りました。そのナンバーを聴いてみたいと思います。

I'll Be True(Kal Mann) / The Orlons(1961)

1961年に The Orlons がリリースしたデビューシングル。プロデュース、アレンジは Cameo-Parkway Record のトッププロデューサーだった Dave Appell と相方の Kal Mann です。Marlena Davis は10代の少女を揺れる気持ちを清楚なボーカルで歌っています。



写真 : The Orlons、一番左が Marlena Davis。



(富田英伸)

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