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Sammy Fain その2「慕情」

2022.04.29
Love Is a Many Splendored Thing

Love Is a Many Splendored Thing

Sammy Fain

(1955)

#Cinema Music Composers

Cinema Music Composers シリーズ
Sammy Fain の2回目、最終回です。

1950年代に入ると、Sammy Fain はウォルト・ディズニーのアニメーション映画『ふしぎの国のアリス』 (ALICE IN THE WONDERLAND、1951) と『ピーター・パン』 (PETER PAN、1953) の挿入歌を手掛けます。ウォルト・ディズニーのアニメーションとは1977年のアニメーション映画『ビアンカの大冒険』 (THE RESCUERS) まで続くことになります。

1954年には西部劇ミュージカル映画『カラミティ・ジェーン』 (CALAMITY JANE) の音楽を手掛けます。主演のドリス・デイ (Doris Day) が歌った "Secret Love" はアカデミー賞歌曲賞を受賞しました。1955年には映画『慕情』 (LOVE IS A MANY-SPLENDORED THING) の主題歌を手掛け、日本国内でも人気曲となります。この曲もアカデミー歌曲賞を受賞します。

1957年の映画『四月の恋』 (APRIL LOVE) では主演のパット・ブーン (Pat Boone) とシャーリー・ジョーンズ (Shirley Jones) が主題歌、"April Love" をデュエット。その後、映画『初恋』 (MARJORIE MORNINGSTAR、1958) 、映画『ある微笑』 (A CERTAIN SMILE、1958) の主題歌等を書きました。

1960年代には入ってもブロードウェイ・ミュージカルを数本手掛けています。1977年には先述のウォルト・ディズニーのアニメーション映画『ビアンカの大冒険』 (THE RESCUERS) を手掛けました。
Sammy Fain は非常に長い期間、職業作曲家として活躍し、1989年に87才で天に召されました。


Main Title - "ALICE IN THE WONDERLAND" (Bob Hilliard-Sammy Fain) (1951)

Alice in Wonderland (Bob Hilliard-Sammy Fain) / Diana Panton (2015)

1951年のウォルト・ディズニーのアニメーション映画『ふしぎの国のアリス』 (ALICE IN THE WONDERLAND) のタイトルバックです。
2015年にカナダの歌姫、Diana Panton の子どもの曲を集めたアルバム『I Believe In Little Things』から。ワルツ調に仕立て上げ、2番はフランス語で可愛く歌っています。


In A World Of My Own (Bob Hilliard-Sammy Fain) From "ALICE IN THE WONDERLAND" (1951)

In A World Of My Own (Bob Hilliard-Sammy Fain) / Diana Panton (2015)

もう1曲、アニメ映画『ふしぎの国のアリス』から。自分の世界を大切にしている女の子の歌です。
この曲も Diana Panton のアルバム『I Believe In Little Things』から聴いてみましょう。淡いアレンジ、演奏に可憐な歌声が心地よく響いてきます。


Main Title - The Second Star To The Right (Sammy Cahn-Sammy Fain) From "PETER PAN" (1953)

The Second Star To The Right (Sammy Cahn-Sammy Fain) / Doris Day and The Four Lads (1953)

1953年のウォルト・ディズニーのアニメーション映画『ピーター・パン』 (PETER PAN、1953) の挿入歌から。詩を書いたのは、 Jimmy Van Heusen や Jule Styne とコラボしてきた Sammy Cahn です。
同年、Doris Day がシングル・リリースしました。コーラスは The Four Lads が歌っています。演奏は Paul Weston の楽団です。


Secret Love (Paul Francis Webster–Sammy Fain) " From "CALAMITY JANE" / Doris Day (1953)

1953年の映画『カラミティ・ジェーン』 (CALAMITY JANE) から。全編、Sammy Fain が書き下ろした西部劇ミュージカル映画です。その年のアカデミー歌曲賞を受賞しました。同年、Columbia Records からシングルがリリースされ、‎Billboard Hot 100 の1位、続いて UK Singles Chart でも1位となり大ヒットとなります。


Main Title Music - Love Is a Many Splendored Thing (Sammy Fain) (1955)

Love Is a Many Splendored Thing (Paul Francis Webster– Sammy Fain) / Matt Monro (1964)

1955年の映画『慕情』 (LOVE IS A MANY-SPLENDORED THING) のタイトル・ミュージックから。オーケストレーションは Alfred Newman です。その年のアカデミー歌曲賞を受賞しました。
多くのシンガーが取り上げましたが、今回はイギリスの Matt Monro のバージョンで。プロデュースは George Martin。


A Certain Smile (Paul Francis Webster– Sammy Fain) From "A CERTAIN SMILE" / Johnny Mathis (1958)

A Certain Smile (Paul Francis Webster– Sammy Fain) / Astrud Gilberto and Walter Wanderley (1966)

1958年のフランソワーズ・サガン (Francois Sagan) 原作の映画『ある微笑』 (A CERTAIN SMILE) の主題歌。劇中で Johnny Mathis が歌い、その年のアカデミー歌曲賞を受賞しました。同年、Johnny Mathis が Ray Ellis の楽団でシングルリリースし、ヒットになりました。
1966年に Astrud Gilberto と Walter Wanderley がリリースしたアルバム『A Certain Smile A Certain Sadness』で取り上げます。


Someone's Waiting for You (Carol Connors-Ayn Robbins-Sammy Fain) From "THE RESCUERS" / Shelby Flint (1977)

1970年代になって再度、ディズニー映画の歌を書きます。1977年公開のディズニー映画『ビアンカの大冒険』 (THE RESCUERS) の挿入歌です。Shelby Flint が歌いました。クレジットにある作詞の Carol Connors とは Phil Spector がいたグループ、The Teddy Bears の Annette Kleinbard のことです。



映画『カラミティ・ジェーン』 (CALAMITY JANE、1953)

(富田英伸)