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Christaine Legrand その2

2022.07.01
Maldonne

Maldonne

Christaine Legrand

(1969)

#Magic Voice

Magic Voicesシリーズ
Christaine Legrand、その2回目 (最終回) です。

第2回は Christaine Legrand が関わった映画音楽と1970年以降の楽曲を聴いていきたいと思います。

1960年代、Christaine Legrand は、弟の Michel Legrand が手掛けた映画音楽に携わります。Michel Legrand が出がけた作品では、映画『シェルブールの雨傘』 (LES PARAPLUIES DE CHERBOURG、1963) 、映画『ロシュフォールの恋人たち』 (LES DEMOISELLES DE ROCHEFORT、1966) 、映画『ロバと王女』 (PEAU D'ANE、1970) 、映画『愛と哀しみのボレロ』 (LES UNS ET LES AUTRES、1981) などがあります。

Christaine Legrand を映画音楽に起用したのは Michel Legrand だけではなく、Krzysztof Komeda、François De Roubaix、Vladimir Cosma といった音楽家からも依頼を受け、映画の中でスキャット等を披露しています。

1970年代以降は、1972年にはボサノバのアルバム『Le Brésil De Christiane Legrand 』 (Of Smiles And Tears ) をリリースしています。またかつて、Les Double Six や Les Swingle Singers で活動をともにしていた Claudine Meunier や José Germain らとコーラスグループ、QUIRE を結成。1976年にアルバムをリリースしています。

Christaine Legrand は弟、Michel Legrand のライブ活動への参加をしながら音楽活動を続け、2011年にこの世を去りました。


Marins, Amis, Amants Ou Maris (Jacques Demy- Michel Legrand) From "LES DEMOISELLES DE ROCHEFORT" / Michel Legrand (1966)

まずは、Michel Legrand が音楽を手掛けた作品から。1966年のミュージカル映画『ロシュフォールの恋人たち』 (LES DEMOISELLES DE ROCHEFORT) から。Christaine Legrand はジョージ・チャキリス (George Chakiris) と一緒に踊るダンサーのジュディス (銀色の方) の声をアテています。一方の女性ダンサー、エスターの声をアテているのは、Les Double Six や Les Swingle Singers でChristaine Legrand と一緒に活動してきた Claudine Meunier です。


Dans Le Magasin De Parapluie (Jacques Demy- Michel Legrand) / Michel Legrand (1964)

同じく1964年に Michel Legrand が音楽を手掛けたミュージカル映画『シェルブールの雨傘』 (LES PARAPLUIES DE CHERBOURG) 。主人公のカトリーヌ・ドヌーヴ (Catherine Deneuve) は、Danielle Licari が歌吹替を。そしてその母親役のアンヌ・ヴェルノン (Anne Vernon) の歌吹替を Christaine Legrand が担当しました。


Enterrement Sous From "LES AVENTURIERS" / François De Roubaix (1967)

1967年のフランス映画『冒険者たち』 (LES AVENTURIERS) から。音楽
は Francois de Roubaix が担当しました。この曲はアフリカのコンゴの地で亡くなった女性、レティシアが海に葬られるシーンに流れます。深い海に沈んでいくレティシア。Christaine Legrand のスキャットが哀しく響きます。


Le départ (Krzysztof Komeda) From "LE DEPART" / Krzysztof Komeda (1967)

1967年のベルギー映画『出発』 (LE DEPART) から。音楽を担当したのは、ポーランド出身のジャズ・ピアニスト、作曲家の Krzysztof Komeda。ロマン・ポランスキー (Roman Polanski) 監督作品の常連の映画音楽家です。


Maldonne (Vladimir Cosma) From "MALDONNE" / Vladimir Cosma (1969)

La Recherche (Vladimir Cosma) From "MALDONNE" / Vladimir Cosma (1969)

1969年のフランス/イタリア映画『ナチスの亡霊』 (MALDONNE) から2曲。音楽を担当した Vladimir Cosma はフランス出身の映画音楽家。数多くの映画音楽を手掛けています。Christaine Legrand が色香あるスキャットを披露しています。


Quire ~ Blue Rondo à la Turk (Dave Brubeck) / QUIRE (1976)

1976年に Christaine Legrand が結成したコーラスグループ、QUIRE のアルバムから1曲、聴いてみたいと思います。これまで参加してきたコーラスグループのエッセンスを取り入れて、高度のコーラスワークを行っています。曲は1959年に Dave Brubeck が発表した楽曲です。


Rome (Children's Games) (Antônio Carlos Jobim-Blanco) / Christiane Legrand (1972)

Christaine Legrand のソロアルバム『Le Brésil De Christiane Legrand 』 (Of Smiles And Tears) から。ボサノバで構成されたアルバムです。この曲元々は1970年の映画『The Adventurers』のために、Antônio Carlos Jobim が書いた曲です。


Badinerie / The Swingle Singers (1972)

最後に The Swingle Singers の1972年のテレビライブの模様を。バッハのバディネリを取り上げています。The Swingle Singers を紹介するのは、Michel Legrand。Michel Legrand も2019年に亡くなってしまいました。姉の歌唱を温かく見守っています。






1967年の映画『冒険者たち』 (LES AVENTURIERS) から、アラン・ドロン (Alain Delon) とジョアンナ・シムカス (Joanna Shimkus) 。




(富田英伸)