デトロイト出身のシンガーソングライター Sharon McMahan
2022.12.04
Songwriterシリーズ、
今回は Sharon McMahan という女性シンガーソングライターを取り上げます。
Sharon McMahan はミシガン州デトロイト生まれ。10代の頃から楽曲作りをしていたそうです。デトロイトで活動していた音楽プロデューサー、Ollie McLaughlin に見出されて、Atlantic Records から "Hello Stranger" のヒットを持つ Barbara Lewis に "Straighten Up Your Heart" を提供します。翌年、Sharon McMahan 自身も Ollie McLaughlin の個人レーベルの Karen Records から シングル、"Love is Wonderful C/W Here Comes the Boy I Love" をリリースしています。
その後は Ollie McLaughlin が手掛けるミュージシャン、Barbara Lewis や Deon Jackson などに楽曲を提供していくようになります。特に Barbara Lewis に提供した "Someday We're Gonna Love Again" はその後イギリスで The Searchers が取り上げ、イギリス国内で11位、米国でも 23位のヒットとなり、彼女の代表曲となりました。
Sharon McMahan 自身もそれほど多くありませんがレコードをリリース。1973年にリリースしたシングル "Get Out Of My Life" は Bobby Martin がアレンジを施しました。
2007年、突如、Sharon McMahan は自主製作のアルバム『Somebody Else』をリリース。これが素晴らしい出来栄え。Sharon McMahan はあまりヒットに恵まれませんでしたが、知られざる素晴らしいシンガーソングライターとして記憶に刻み込まれました。
まずは彼女の代表曲となった "Someday We're Gonna Love Again" の聴き比べを。
Someday We're Gonna Love Again (Sharon McMahan) / Barbara Lewis (1964)
Someday We're Gonna Love Again (Sharon McMahan) / The Searchers (1964)
オリジナルの Barbara Lewis のバージョンは彼女のヒット曲、"Hello Stranger" と同じ、Ollie McLaughlin のプロデュースで、Riley Hampton のアレンジです。バックボーカルは The Dell が担当。
The Searchers のバージョンは同年、Pye Records からリリース。イギリス国内で11位、米国でも 23位のヒットとなりました。
Straighten Up Your Heart (Sharon McMahan) / Barbara Lewis (1963)
作家、Sharon McMahan としてのデビュー曲となります。Barbara Lewis のヒット曲、"Hello Stranger" に続くシングルで、Ollie McLaughlin のプロデュースで、Riley Hampton のアレンジ。"Hello Stranger" の雰囲気を持った曲調です。
Love is Wonderful (Sharon McMahan) / Sharon McMahan (1964)
1964年、Sharon McMahan のシンガーソングライターとしてのデビュー曲となります。Ollie McLaughlin の個人レーベルの Karen Records からリリース。アレンジ等の記載がありませんが、心地いいリズム、そして確かな歌唱力。
I Have No Choice (Sharon McMahan) / Sharon McMahan (Unreleased)
Sharon McMahan の未発表シングルのようです。制作年代等も不明ですが、とても洗練された音作りです。
I Can't Go On (Sharon McMahan) / Deon Jackson (1968)
Ollie McLaughlin のプロデュースで、"Love Makes the World Go Round" のヒットを持つ Deon Jackson に提供した楽曲。 Ollie McLaughlin の個人レーベルの Carla Records からリリースされました。アレンジはサックス奏者でもある Andrew "Mike" Terry。これも心地よい曲です。
Do I Deserve It Baby ((Sharon McMahan) / Barbara Lewis (1970)
1970年代に入っても Barbara Lewis に楽曲提供しています。1970年リリースのアルバム『The Many Grooves Of Barbara Lewis』に収録された1曲。このアルバムも Ollie McLaughlin のプロデュースで、Andrew "Mike" Terry のアレンジ。
Get Out Of My Life (Sharon McMahan) / Sharon McMahan (1973)
1973年に Columbia Records からリリースしたシングル "Get Out Of My Life" は Bobby Martin がアレンジを施しました。なのでフィリーサウンドの味付けがされたスマートな曲です。
I'll Be There (Sharon McMahan) / Sharon McMahan (2007)
ここからは、Sharon McMahan が突如、2007年にリリースしたアルバム『Somebody Else』から2曲程、聴いてみたいと思います。自主製作のアルバムのようですが、素晴らしいライティングにまったく衰えていない確かな歌唱力。
Someday We're Gonna Love Again (Sharon McMahan) / Sharon McMahan (2007)
アルバム『Somebody Else』には、彼女の代表曲、"Someday We're Gonna Love Again" のセルフカバーも収録されています。快活な曲調をしっとりと仕上げています。
(富田英伸)