辰年にちなんでマジック・ドラゴン「パフ」
2024.01.21
Puff, The Magic Dragon
Peter, Paul & Mary
Single (1963)
パフは魔法の竜の名前。パフと少年との楽しい日々とその別れの日が歌われます。
Peter, Paul & Mary は Peter Yarrow、Paul Stookey、Mary Travers の三人組で、1961年にニューヨークで結成されます。「パフ」はピーターが曲を書いています。映像でリードヴォーカルをとるのがピーター。PPM のコーラスはいつ聴いてもうらやましい、こう歌えたらなあといつも思います。リズム、拍、強弱までほんとうに自然に3声があやつられる。p から ff までどこをとっても聴かせどころが作れます。
「パフ」が発表されたのは1963年ですが、日本では70年代の前半でも普通にラジオでよくかかっていたように記憶します。達郎さんは放送で「誰でも一度はギターで弾いた」と放送でも一節を弾いてくださいました。私事ながら「パフ」は自分が小さいころ買ってもらった初めての洋楽レコード。当時愛読していた福音館の絵本「エルマーとりゅう」も思い出します。
そして「パフ」のB面が「わが祖国」"This Land is your Land" でした。
This Land is Your Land / Peter Paul & Mary (1963)
This land is your land This land is my land
From California to the New York island
From the red wood forest to the Gulf Stream waters
This land was made for you and Me.
「わが祖国」は Woody Gathly の1940年代の作で、詩は当時流行の愛国歌へのあてつけ、曲は The Carter Family の古い歌の借りものというものでした。1960年代にはフォークの代表曲のひとつとなります。カリフォルニアからニューヨークというのは、アメリカ横断ですし、ガスリーの放浪生活をも思い起こさせます。
この曲は年月を経て、プロテストソングでありながらより普遍的に聴かれるようになったのではないかと思います、基本的人権といったようなレベルで。それゆえ、21世紀に日本列島に置き換えて歌われても、なるほどなと思うのです。
(2016.05.28の原稿のアップグレードです)
(たかはしかつみ)