楽しみなインディーズバンド ofton fun club

2024.03.02
パンセ

パンセ

ofton fun club

SODA (配信/CD) (2023)

パジャマ姿でステージに登場。彼らのライブを初めて見た時、なぜ、パジャマ姿なのって頭の中がポカーンとなりましたが、ライブ中のMC他で彼らのバンド名の由来から「早起きが苦手」で「おふとんから出たくない」ことから、パジャマ姿がこのバンドの衣装にお似合いなのだとわかりました。

そのバンドは、ofton fun club(オフトン・ファン・クラブ)といいます。

私が彼らのライブを初めて見たのは、以前取り上げたシュガーダンスが出演したイベント・ライブでした。私の彼らのライブを見た第一印象は、リード・ヴォーカルの女性がとても歌いなれて、そしてバンド・サウンドもまとまっていることを感じました。「既視感」のある渋谷系、ギター・ポップ他のサウンド・テイストを含んだ彼らの耳に馴染みやすいポップな楽曲の魅力が自然に私の耳に届きました。

その後、配信されている、今回取り上げる彼らのアルバムの『SODA』の曲を耳にしたり、昨年(2023年)の野外のフェスのライブ映像他をSNSを通じて見たりしました。

ofton fun clubは、2021年にリード・ヴォーカル(作詞も担当)のリサさんとギター(作曲他担当)の開輝之さんを中心に結成された5人組のインディーズのバンドです。また、リサさんはリサとカヤ(女性デュオ)、開さんはxiexie他のバンド、それぞれの音楽活動も並行して行なっています。

さて、2023年にリリースされたデビュー・アルバム『SODA』(9曲入り、配信とライブ会場のみのCD販売)、中の「夏のユートピア」という曲の歌詞の さっぱりしたクリームソーダ をイメージした女の子がストローでソーダを飲んでるイラストのジャケットが清涼感を感じる夏のイメージを表わしています。

このアルバムの中で私がとりわけ好きなのは「パンセ」という歌です。

ほら、昔通った店/目を細めて笑うあなた/記憶のかけら集めて走る大通り/この街で暮らしてた香りも/あの頃のまま

ピアノのイントロからはじまる親しみやすいメロディ。歌詞を書いたのはリード・ヴォーカルのリサさん。彼女が暮らした仙台の風景を織り込みながら、二人の過去と今のものがたり、といったらいいでしょうか。他に けやき通り という言葉も出てきます。ちなみに、「パンセ」は仙台にあるバン屋さんの名前だそうです。

いま、小さなライブハウスで定期的に複数のバンドの出るライブに出演している ofton fun club、楽しみなインディーズのバンドであり、前述したシュガーダンスに続いて多くの人々の耳に彼らの音楽が届いてほしいものです。


(伊東 潔)