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Big Wave サウンドは40年たった今でも新鮮に響きます

2024.07.06
The Theme From Big Wave

The Theme From Big Wave

山下達郎

Big Wave (1984)

「Big Wave」とそのアルバムは、40年たった今でもとても新鮮に響きます。

この曲を40年前に初めて聴いた時の筆者の感想は、ずいぶんあっさりとした作りだな、というものでした。達郎氏の音作りの機微もわからない当時の学生の感想です。

時代はというと英国シンセサウンドが全盛、Duran Duran の音です。サザン・オールスターズは「ミス・ブランニュー・デイ」をほとんど同時期に発表していました。厚いシンセとドラムエコーで、ぐしゃっとした音が流行り。サザンもデュラン・デュランも悪くないのですが、そんな中「Big Wave」はとてもシンプルなサウンドに聴こえたのだと思います。

このアルバムは山下達郎の最後のアナログレコーディングでした。とてもいい音が残されています。先に述べた時代と無関係のシンプルなサウンド、そしてアナログレコーディングの素直な音、こういった性質がこのアルバムを時代に左右されない飽きが来ないものにしているのだと思います。40年経ってい聞くと、当時よりは英語がわかるようになったのか、Alan O'Day による人間愛の歌詞に心が温まるようにもなりました。

本作は1984年の『BIG WAVE』という同名のサーフィンのドキュメンタリー・フィルムのサウンドトラック。1984年6月20日リリース。A面が Alan O'Day との共作によるオリジナル・ソング。B面は Beach Boys の Brian Wilson の作品を中心にした一人多重録音で構成された全曲英語による作品。2014年には『Big Wave 30th Anniversary Edition』が最新デジタル・リマスター、ボーナス・トラック7曲付きで再発売。ボーナス・トラックは出し尽くし、リマスターもこれ以上向上しないというもの。今年はライブの準備で時間的な余裕もなく40周年記念盤は出せなかった。とのことが、サンソンの特集で山下達郎本人から語られました。

いよいよ今週はライブツアー、山下達郎 Performance 2024 が始まります。Big Wave も期待します。7月から12月まで、21都市43公演、楽しみです。

(たかはしかつみ)