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夏の夕暮れ、涼みたい時に聴きたくなる曲

2024.07.11
The Things We Did Last Summer

The Things We Did Last Summer

Jule Styne Part 1

(1946)

#Cinema Music Composers

Cinema Music Composers シリーズ
今回から Jule Styne を数回に分けて取り上げます。

Jule Styne は1905年、イギリス、ロンドンのイーストエンドで生まれました。両親はロシア帝国時代のウクライナ出身者でユダヤ移民でした。1912年に家族はアメリカ、シカゴへ移住。Jule Styne は本格的にピアノを習い、地元の交響楽団でピアノを弾くようになります。

Jule Styne がシカゴの音楽大学に通い出した頃、友人で駆け出しのミュージカル・プロデューサーの Mike Todd に誘われ楽曲を書くようになります。この Mike Todd という人は後に映画プロデューサーで エリザベス・テイラー (Elizabeth Taylor) の3番目の夫となった人です。

シカゴ時代には、Glenn Miller や Benny Goodman らが在籍していたことで知られる Ben Pollack の楽団で演奏したこともあったそうです。

1930年代になると、ハリウッドに移り住み、20世紀映画社のスタジオで、彼は、シャーリー・テンプル (Shirley Temple) やアリス・フェイ (Alice Faye) といったハリウッドスターのボーカルコーチ兼伴奏ピアニストの職に就きます。

第1回の今回は僕がとても好きな夏の曲を。


1946年に書かれた楽曲で、同年にシングルリリースした Jo Stafford のバージョンがヒットしました。演奏は夫である、Paul Weston And His Orchestra です。Jo Stafford がボーカルグループ Pied Pipers から抜けてソロになり、2人が結婚した頃の作品です。

The Things We Did Last Summer (Jule Styne-Sammy Cahn) / Jo Stafford With Paul Weston And His Orchestra (1946)


この年には、Vaughn Monroe もこの曲をリリース。このバージョンでは The Moon Maids というテキサス出身の女性コーラスと歌っています。これがとてもいい感じ。

The Things We Did Last Summer (Jule Styne-Sammy Cahn) / Vaughn Monroe And The Moon Maids (1946)


"夏" に題材を求めたロマンチックなこの曲、1960年代になると Shelley Fabares、 Lesley Gore など若いポップス畑のアイドルシンガー達も歌い出します。今回は Shelley Fabares のバージョンを。Stu Phillips プロデュース、アレンジでラテン調に仕上げています。

The Things We Did Last Summer (Jule Styne-Sammy Cahn) / Shelley Fabares (1962)


夏といえば、やっぱりこのグループ、The Beach Boys のバージョンも合わせて。美しいコーラス、Brian Wilson のファルセットボイスが心地よいです。一番好きなバージョンです。

The Things We Did Last Summer (Jule Styne-Sammy Cahn) / The Beach Boys (1963)



* 1962年、Shelley Fabares のアルバム『The Things We Did Last Summer』


(富田英伸)