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涼しさを求めて、真夏に書かれたクリスマスソング2曲。

2024.07.18
Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!

Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!

Jule Styne Part 2

(1945)

#Cinema Music Composers

Cinema Music Composers シリーズ
Jule Styne の2回目です。

前回、取り上げた楽曲、 "The Things We Did Last Summer" は真冬に夏の季節を回想する曲でしたが、今回はその逆パターンです。

1945年の暑い夏の最中、Jule Styne と 作詞家 Sammy Cahn は真夏の7月、熱波の中、涼しさを熱望して2人はこの曲 "Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!" を書きました。その年に Vaughn Monroe がこの曲をレコーディング。これが大ヒットとなります。その後、フランク・シナトラ (Frank Sinatra) 、ディーンマーティン (Dean Martin) などが歌い継ぎ、今ではクリスマスの定番曲となりました。


Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow! (Jule Styne-Sammy Cahn) From "DIE HARD" / Vaughn Monroe And His Orchestra (1945-1988)

"クリスマスに世界一ツイてない男" が登場する1988年の映画『ダイ・ハード』 (DIE HARD) のエンディングにこの曲が流れてきます。奥さん役のボニー・ベデリア (Bonnie Bedelia) がテレビレポーターにパンチを食らわすシーンは痛快!。ラストのラストでこれまでの伏線を全て回収、素晴らしい脚本です。続演、映画『ダイ・ハード2』 (DIE HARD 2、1990) でもやっぱりラストはこの曲が流れてきました。


Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow! (Jule Styne-Sammy Cahn) / Vaughn Monroe And His Orchestra With The Norton Sisters (1945)

"Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!" のオリジナルバージョン。このバージョンではコネチカット州出身の女性コーラスグループ、The Norton Sisters と一緒に歌っています。



もう1曲、Jule Styne が真夏に書いたクリスマスソングを。
1954年頃、フランク・シナトラから新曲の依頼があった時、Jule Styne と Sammy Cahn はクリスマスソングにワルツ調がないことに気づきました。それで2人はワルツ調のクリスマスソングを書き、フランク・シナトラに手渡ししました。楽曲の依頼があったのは真夏で、 "Let It Snow" 同様、2人はこの曲も真夏に書いたとのことです。


The Christmas Waltz (Jule Styne-Sammy Cahn) / Frank Sinatra (1957)

真夏に書かれたクリスマスソング。1954年のフランク・シナトラ (Frank Sinatra) が Capitol Records からリリースしたシングル "White Christmas" のB面のために書かれた曲。シングルでは Nelson Riddle がコンダクトを務めましたが、今回は1957年のアルバム『A Jolly Christmas From Frank Sinatra』のバージョンから。コンダクトは Gordon Jenkins です。バックボーカルはフランク・シナトラも在籍していたこともある The Pied Pipers 出身の Ralph Brewster が結成した Ralph Brewster Singers です。


The Christmas Waltz (Jule Styne-Sammy Cahn) / The Carpenters (1978)

1978年の The Carpenters のクリスマスアルバム『Christmas Portrait』のバージョンも合わせて。アレンジは Peter Knight です。素敵なワルツの調べです。


* 映画『ダイ・ハード』から、アラン・リックマン (Alan Rickman) とボニー・ベデリア (Bonnie Bedelia)



* 上記写真 : Jule Styne (左) と Sammy Cahn (右)


(富田英伸)