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フランク・シナトラに最も信頼されたソングライター Jule Styne

2024.08.19
Time After Time

Time After Time

Jule Styne Part 4

(1947)

#Cinema Music Composers

Cinema Music Composers シリーズ
今回は Jule Styne の4回目です。

戦後、Jule Styneはブロードウェイミュージカルを中心に音楽を制作していきますが、一方、映画の方でも楽曲提供のオファーが途切れませんでした。特に当時人気絶頂だったフランク・シナトラ (Frank Sinatra) は Jule Styne-Sammy Cahn のシングライターチームを厚く信頼し、アルバム制作、出演映画作品に多くの優れた楽曲を提供していくことになります。

戦後、Jule Styne が手掛けた作品には、フランク・シナトラ出演作品など『Follow the Boys』 (1944) 、『今宵よ永遠に』 (TONIGHT AND EVERY NIGHT、1945) 、『錨を上げて』 (ANCHORS AWEIGH、1945) 、『下町天国 』 (IT HAPPENED IN BROOKLYN、1947) 『洋上のロマンス』 (ROMANCE ON THE HIGH、1948) 、『It's a Great Feeling』 (1949) 、『紳士は金髪がお好き』 (GENTLEMEN PREFER BLONDES、1953) 、『愛の泉』 (THREE COINS IN THE FOUNTAIN、1954) などがあります。

今回はフランク・シナトラが出演した映画作品を中心に聴いていきたいと思います。



I Fall In Love Too Easily (Jule Styne-Sammy Cahn) From "ANCHORS AWEIGH" / Frank Sinatra (1945)

I Fall In Love Too Easily (Jule Styne-Sammy Cahn) / Chet Baker (1956)

1945年の映画『錨を上げて』 (ANCHORS AWEIGH) から。この映画、
ジーン・ケリー (Gene Kelly) とアニメのトムとジェリーとジェリーとダンスする映画として有名です。ジーン・ケリー (Gene Kelly) と共演となったフランク・シナトラ (Frank Sinatra) が歌いました。Axel Stordahl のオーケストレーションです。
1956年リリースの Chet Bakerのアルバム『Chet Baker Sings』のバージョンも合わせて。切ない声とメロディ。


Time After Time (Jule Styne-Sammy Cahn) From "IT HAPPENED IN BROOKLYN" / Frank Sinatra (1947)

Time After Time (Jule Styne-Sammy Cahn) / Chet Baker (1956)

Time After Time (Jule Styne-Sammy Cahn) / Chris Montez (1966)

1947年の映画『下町天国』 (IT HAPPENED IN BROOKLYN) から。主演のフランク・シナトラが歌いました。この歌をバックで聴いているのが名脇役、ジミー・デュランテ (Jimmy Durante) 。フランク・シナトラのピアノは、実際は André Previn が弾いています。
この曲も Chet Baker の1956年のアルバム『Chet Baker Sings』で取り上げました。
1966年には A&M Records から Chris Montez 版がリリース。Herb Alpert と
Tommy Li Puma 共同プロデュースの下、Nick DeCaro がアレンジを施しました。


The Brooklyn Bridge (Jule Styne-Sammy Cahn) From "IT HAPPENED IN BROOKLYN" / Frank Sinatra (1947)

同じく、映画『下町天国』 (IT HAPPENED IN BROOKLYN) から。晴れた日、誰もいないブルックリン橋で撮影。フランク・シナトラがとても気持ちよさそうに歌い上げます。バックに見えるマンハッタンの素晴らしい景観。


I Believe (Jule Styne-Sammy Cahn) From "IT HAPPENED IN BROOKLYN" / Frank Sinatra, Jimmy Durante and Bobby Long (1947)

同じく、映画『下町天国』 (IT HAPPENED IN BROOKLYN) から。フランク・シナトラとジミー・デュランテ (Jimmy Durante) が背が高くなりたいチビの少年を勇気づける歌です。ジミー・デュランテのダミ声もいい感じ。少年を演じたボビー・ロング (Bobby Long) も達者なタップダンスを披露します。


Together, Wherever We Go (Jule Styne-Stephen Sondheim) / Frank Sinatra, Bing Crosby and Dean Martin (1959-TV)

Together, Wherever We Go (Jule Styne-Stephen Sondheim) / Judy Garland and Liza Minnelli (1963-TV)

最後にスターたちの共演を。この曲、"Together, Wherever We Go" は Jule Styne にとって後期のミュージカル作品にあたる 1959年のブロードウェイミュージカル『Gypsy』のために書かれた楽曲です。テレビバラエティで、ビング・クロスビー (Bing Crosby) 、フランク・シナトラ、ディーン・マーティン (Dean Martin) が一緒に歌った映像。そして。ジュディ・ガーランド (Judy Garland) 、ライザ・ミネリ (Liza Minnelli) の母娘の共演した映像を。


* 上記写真 : 左から Sammy Cahn、Frank Sinatra、Jule Styne、Jimmy Durante

* 映画『下町天国』 (IT HAPPENED IN BROOKLYN)

(富田英伸)