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ダンスミュージック界隈で活躍したイギリス出身のソングライターチーム、Dominic Bugatti & Frank Musker

2024.11.05
Heaven On The Seventh Floor

Heaven On The Seventh Floor

Dominic Bugatti & Frank Musker Part 1

(1977)

#Songwriter

(2024年11月3日SSB『リクエスト特集』で The Mighty Pope "Heaven On The Seventh Floor" がかかったので、作者の Dominic Bugatti & Frank Musker を取り上げます。)

Songwriterシリーズ
今回は Dominic Bugatti & Frank Musker を2回に分けて取り上げます。

Dominic Bugatti & Frank Musker はイギリス出身のソングライターチームでダンスミュージック、ディスコ界隈で活躍し、有名ミュージシャンへの楽曲提供も多いソングライターチームです。

初期の頃の曲は第2回に回し、第1回では彼らの名前が知られるようになった楽曲、"Heaven On The Seventh Floor" の聴き比べや有名ミュージシャンへの提供、そして彼らが1982年に The Dukes というグループ名でリリースした唯一のアルバム『The Dukes Bugatti & Musker』からも数曲、聴いていきたいと思います。


"Heaven On The Seventh Floor" は1977年、イギリスのミュージカル、舞台俳優の Paul Nicholas がリリースしたシングルで、Bugatti-Musker チームが直接アレンジを手掛けました。各所にギミックが凝らしている曲で、おもちゃ箱をひっくり返したような楽しさがあるサウンドになっています。間奏、ラスト部分には Irving Berlin の "Cheek To Cheek " が登場したりで遊び心いっぱいです。アメリカでこの曲が Billboard Hot 100 の6位となります。プロデューサーは Christopher Neil という人。

同年、ジャマイカ出身でカナダで活動していたソウルシンガー The Mighty Pope が Private Stock Records からリリース、この曲をカバーします。これはカナダでヒット、Marvin Gaye『What's Going On』などを手掛けた David Van De Pitte がオリジナルとはまったく異なる重厚なアレンジを施しました。

Heaven On The Seventh Floor (Dominic Bugatti-Frank Musker) / Paul Nicholas (1977)

Heaven On The Seventh Floor (Dominic Bugatti-Frank Musker) / The Mighty Pope (1977)


次の "Sway" もオリジナルは先の Paul Nicholas でその後、The Fifth Demension や The Mighty Pope などが取り上げました。一番有名なのは1981年のフロリダの KC & The Sunshine Band のバージョンだと思います。これも聴き比べを。

Sway (Dominic Bugatti-Frank Musker) / Paul Nicholas (1977)

Sway (Dominic Bugatti-Frank Musker) / KC & The Sunshine Band (1981)




ここからは Bugatti-Musker チームが書いたヒット曲を有名曲2曲、聴いていきたいと思います。


Every Woman in the World (Dominic Bugatti-Frank Musker) / Air Supply (1980)

1980年にイギリス、オーストラリア混合のグループ、Air Supply に提供したバラードナンバー。アルバム『Lost in Love』に収録されていた曲ですが、シングルカットされ US Billboard Hot 100 の5位のヒットとなります。


Modern Girl (Dominic Bugatti-Frank Musker) / Sheena Easton (1980)

1980年、スコットランド出身の女性シンガー、Sheena Easton に提供したデビューシングル。UK Singles Chart の8位、その後世界的にヒットとなり、彼女は時の人となります。プロデュースを手掛けたのは Paul Nicholas を手掛けていた Christopher Neil です。




ここからは Bugatti-Musker が The Dukes という名義でリリースした彼ら唯一のアルバムから3曲程聴いていきたいと思います。1982年、2人はアメリカに渡り、Atlantic Records からリリース。アルバム名は『The Dukes Bugatti & Musker』となっています。プロデューサーには Atlantic Records の重鎮、Arif Mardin が就き、その人脈でアメリカ西海岸の有名スタジオミュージシャンが数多く参加、非常にクオリティの高いアルバムに仕上がりました。


Mystery Girl (Dominic Bugatti-Frank Musker) / The Dukes (Bugatti & Frank Musker) (1982)

Thank You For The Party (Dominic Bugatti-Frank Musker) / The Dukes (Bugatti & Frank Musker) (1982)

Love Dance (Dominic Bugatti-Frank Musker) / The Dukes (Bugatti & Frank Musker) (1982)


次回は、Bugatti & Frank Musker の知られざる曲などを"発掘"したいと思います。


* アルバム『The Dukes Bugatti & Musker』 (1982)

(富田英伸)