home about

Dominic Bugatti & Frank Muskerの初期の曲、知られざる曲など

2024.11.14
Best in the West

Best in the West

Dominic Bugatti & Frank Musker Part 2

(1982)

#Songwriter

Songwriterシリーズ
今回は Dominic Bugatti & Frank Musker を第2回、最終回です。

イギリス出身のソングライターチーム、Dominic Bugatti & Frank Musker の初期の作品を探ってみたいと思います。

先にレコードクレジットの記載が見つかるのは Dominic Bugatti で1969年頃、イギリス、ウェールズで結成されたグループ、Amen Corner に本名の Dominic King の名前で数曲提供しています。

Frank Musker が出会ったのは1970年以降と思われ、1973年に Bugatti & Musker 名義のシングル "Out Of Town Shuffle" をリリースしています。まだソウル、ブルーアイド色は薄く、ギター中心のサウンドですがメロディーラインは溌溂としています。

Out Of Town Shuffle (Dominic Bugatti-Frank Musker) / Bugatti & Musker (1973)


1976年にスコットランド出身の女性シンガーソングライター、Barbara Dickson に "Out Of Love With Love" を提供。美しいバラード曲です。プロデュースは Marmalade に在籍していた Junior Campbell。この曲は後に The Nolans も取り上げました。
彼女のスタジオライブの模様が現存しています。未確認ですが、この映像に映っているバックバンドのキーボードとベースが Dominic Bugatti と Frank Musker ではないかと思います。

Out Of Love With Love (Dominic Bugatti-Frank Musker) / Barbara Dickson (TV、1976)


1976年、2人は King Musker Band というバンド名でシングル "Ain't No Smoke Without Fire" をリリース。この曲が彼らの持ち味であるソウル、ブルーアイド色の強い曲となりました。The Temptations 出身のシンガー Eddie Kendricks がこの曲に目を付けカバー、1978年にシングルリリースします。いずれも6分以上のクラブミックスバージョンです。

Ain't No Smoke Without Fire (Dominic Bugatti-Frank Musker) / King Musker Band (1976)

Ain't No Smoke Without Fire (Dominic Bugatti-Frank Musker) / Eddie Kendricks (1978)




ここからは1977年のヒット曲 "Heaven On The Seventh Floor" 以降、人気ソングライターチームとなってからの2人の作品をいくか聴いていきたいと思います。


Woman In Love (Dominic Bugatti-Frank Musker) / The Three Degrees (1978)

1978年、The Three Degrees の Ariola Records への移籍第1弾アルバム『New Dimensions』は Giorgio Moroder がプロデューサーとなって仕切りました。そこで Bugatti-Musker を抜擢。ミディアム調のバラード曲でアレンジは Greg Mathieson。


That's Not What We Came Here For (Dominic Bugatti-Frank Musker) / Breakwater (1978)

1978年の Breakwater の人気の高いアルバム『Breakwater』でも Bugatti-Musker の曲が取り上げられました。フィラデルフィアで結成されたBreakwater はファンクバンドながら美しいメロディーラインを大切にするので、Bugatti-Musker の楽曲と相性が良いようです。


American Hearts (Dominic Bugatti-Frank Musker) / Billy Ocean (1980)

同じくブルーアイドソウル色が強いイギリスのソングライター、プロデューサーの Ken Gold も Bugatti-Musker に一目置いていました。イギリスのソウルシンガー Billy Oceanの1980年のアルバム『City Limit』で彼らの曲を採用します。アレンジャーは Ken Gold の懐刀の Lynton Naiff です。


So Much In Love (Dominic Bugatti-Frank Musker) / Sheena Easton (1981)

So Much In Love (Dominic Bugatti-Frank Musker) / The Dukes (Bugatti & Frank Musker) (1982)

1981年、Sheena Easton のデビューアルバム『Sheena Easton』は、Bugatti-Musker と長い付き合いある Christopher Neil がプロデュースをしたアルバムで楽曲提供依頼は Christopher Neil からなのは間違いないと思います。アルバムにはこの曲と 大ヒットとなった"Modern Girl" が収録されました。アルバム『The Dukes Bugatti & Musker』のセルフカバーも合わせて。


Fate (Dominic Bugatti-Frank Musker) / Chaka Khan (1981)

Fate (Dominic Bugatti-Frank Musker) / The Dukes (Bugatti & Frank Musker) (1982)

1981年に Warner Bros. Records からリリースされた Chaka Khan のアルバム『What Cha' Gonna Do For Me』は Arif Mardin がプロデューサーに就きました。これもクオリティの高いアルバム。翌年リリースされた Bugatti-Musker のアルバム『The Dukes Bugatti & Musker』もプロデューサーが Arif Mardin と参加ミュージシャンの多くが被っています。ギターソロは Hiram Bullock。このアルバムの成果により、翌年、Bugatti-Musker の実質的デビューアルバムがこのスタッフで制作されたのではないかと思います。その Bugatti-Musker のセルフカバーも合わせて。


Best in the West (Dominic Bugatti-Frank Musker) / Chaka Khan (1982)

ラストも Chaka Khan で。前作に引き続き、1982年にリリースされたアルバム『Chaka Khan』は同じく、Arif Mardin がプロデュースに就き、Bugatti-Musker が新たに曲を書き下ろしました。Arif Mardin と Robbie Buchanan によるグルーヴあるアレンジ、Steve Ferrone による力強いドラムス、Bugatti-Musker の良さを120パーセント、引き出しています。


(富田英伸)