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Hamilton, Joe Frank & Reynolds のギターリスト、ボーカルの Dan Hamilton

2024.11.16
Falling In Love

Falling In Love

Dan Hamilton

(1975)

#Songwriter

(2024年11月10日SSB『リクエスト特集』で New Birth "Falling In Love" がかかったので、作者の Dan Hamilton を取り上げます。)

Songwriterシリーズ
今回は Hamilton, Joe Frank & Reynolds のギターリスト、ボーカルの Dan Hamiltonを取り上げます。


Dan Hamilton は1946年、ワシントン州スポケーン生まれ。10代の頃から弟の Judd Hamilton とバンド活動していたました。その弟が The Ventures のローディーになり、それがきっかけで The Ventures に楽曲を提供することになりました。Dan Hamilton がほとんど初めて書いてきた曲が "Diamond Head" で 1964年、Dick Glasser プロデュースの下で録音、アメリカ国内よりも日本で爆発的人気が出てエレキギター・ブームが巻き起こります。そして"Diamond Head" は The Ventures の代表曲となります。

Diamond Head (Dan Hamilton) / The Ventures (1964)


同時期、Dan Hamilton と弟、Judd Hamilton のサーフバンド、The Avantis を結成。マイナーレーベルから数枚シングルをリリース。このスタジオワークで、Glen Cambell や Leon Russell と知り合いになります。ここで Dan Hamilton が書いたサーフミュージックを聴いてみたいと思います。

Phantom Surfer (Dan Hamilton-Judd Hamilton) / The Avantis (1964)


時代は遡って、1963年、西海岸のレコード会社 Liberty Records は The T-Bones なるインストグループをデビューさせます。"Shut Down"、"Hey Little Cobra" などをシングルリリースしますが、バンドの実態は存在せず、Liberty Records がでっち上げた覆面バンドでした。実際に演奏しているのは、Steve Douglas、Tommy Tedesco、Hal Blaine といった The Wrecking Crew と称される西海岸のスタジオミュージシャン達でした。

しかし、その後 The T-Bones のプロモーター活動、番宣、ジャケットの撮影、テレビへの出演、ライブツアーなどバンドとして実際に表へ出ていかないとならない状況が発生。そこで白羽の矢が立ったのが、Judd Hamilton、Dan Hamilton、Joe Frank Carollo (そして後2人が参加) 。その理由の1つにはその演奏力量に加え、そのルックスも手伝ったと思われます。彼らは The T-Bones を名乗って活動を始めます。The T-Bones の1966年のアルバム『Everyone's Gone To The Moon (And Other Trips) 』は既にスタジオミュージシャンではなく彼ら自身が演奏しているアルバムになりました。

こういった動きを見ていたプロデュサーの Steve Barri は Dan Hamilton の才能を見抜き、Dunhill Records に引き抜き、Hamilton, Joe Frank & Reynolds としてデビューさせます。1970年、Dennis Lambert-Brian Potter が書いた曲 "Don't Pull Your Love" でシングルリリース。アレンジは Jimmie Haskell が担当。これが U.S. Billboard Hot 100 の4位の大ヒットとなります。

1972年には Tommy Reynolds が脱退、代わりに Larry Knechtel が参加しますが、グループは Hamilton, Joe Frank & Reynolds のままで存続します。1974年に Playboy Records に移籍。Dan Hamilton は作曲の才能が再度輝き始め、1975年にリリースした "Fallin' in Love" が US Billboard Hot 100 の1位に輝きます。

Hamilton, Joe Frank & Reynolds で Dan Hamilton が書いた曲を4曲程、聴いていきたいと思います。


It Takes The Best (Dan Hamilton-Tommy Reynolds) / Hamilton Joe Frank & Reynolds (1971)

1971年、Dunhill Records からのリリース、Dennis Lambert-Brian Potter が書いた "Daisy Mae" のB面収録曲。プロデュースは Steve Barri でアレンジは Jimmie Haskell です。


Winners & Losers (Dan Hamilton-Ann Hamilton) / Hamilton Joe Frank & Reynolds (1975)

1975年、Playboy Records からリリース。共作者の Ann Hamilton とは奥様です。"Reynolds" の名はグループ名に残っていますが、Tommy Reynolds は既に脱退しており、この頃は Dan Hamilton、Joe Frank Carollo そして Alan Dennison の3人になっています。


Everyday Withoug You (Dan Hamilton) / Hamilton Joe Frank & Reynolds (1975)

1975年、Playboy Records からリリースしたアルバム『Falling In Love』収録曲。Dan Hamilton がいい声しています。Jim Price は元々はトロンボーン奏者で、後にプロデューサーとして Joe Cocker や Jennifer Warnes などを手掛けた人です。


Falling In Love (Dan Hamilton-Ann Hamilton) / Hamilton Joe Frank & Reynolds (1975)

Falling In Love (Dan Hamilton-Ann Hamilton) / New Birth (1976)

1975年、Playboy Records からリリース。US Billboard Hot 100 の1位に輝きました。後に到来するAOR時代を見越したような楽曲、メロディで多くの人を魅了しました。
翌年、New Birth がカバー、アルバム『Love Potion』に収録されました。

Dan Hamilton は1994年、48才の若さで旅立ちました。


* Hamilton, Joe Frank & Reynolds

(富田英伸)