気になるインディーズバンド Nagakumo のスウィート・スペース
2024.11.30
スウィート・スペース
Nagakumo
配信 (2024)
2021年に結成され、2022年に「思いがけず雨」により注目を浴びた、大阪を活動の中心にしている男女混成の4人組の若い新しいバンドです。彼らは、フリッパーズ・ギター、シンバルズ等のネオ・アコやギター・ポップの影響を受けたサウンドによってインディーズのシーンで注目を集めました。彼ら自身、自分たちを「ネオ・ネオ・アコ」バンドと言っていたりします。
その彼らは、昨年までにEPシングルを3枚リリースし、最近そこからの曲をAB面とした初のアナログ盤をリリースしました。そして、今年5月に「あるところ」、7月に「Question」、9月に「スウィート・スペース」と、3ヵ月連続配信リリースしました。
その3曲の中で、最新曲の「スウィート・スペース」がとてもいいんです。
「宇宙での暮らしに/無駄なものを集めた/素敵を/眺めている」
ではじまるギター音をバックに女性リード・ヴォーカルの歌唱、そして男女のダブル・ヴォーカルが聴く者の耳に余韻を残すロック・バラード。
「割れた陶器の割れてない方で食べる/今と今を繋げる箸」……
そして、ラストの
「帰るべき宇宙/私は/その一部になろうと/甘く溶け出した」
と、歌詞に見られるイメージする言葉が「スウィート・スペース」というタイトルにふさわしい曲になっています。
先述した3ヵ月連続配信リリースの3曲を耳にすると、前述したネオ・アコ、ギター・ポップのサウンドの影響という括りに収まらない、いろいろな音楽の引き出しを備えているバンドという印象を受けました。
大阪が活動の中心でNagakumoのライブを見る機会のない私、成功裏に終わった東京での初ワンマン・ライブ、パルテノン多摩、そして横浜桜木町駅前広場の2か所でのフリーライブイベントのライブと「追っかけ」てしまいました (笑) 。
ライブには荒削りな面他があるものの、Nagakumo、2025年、どのように「進化」していくかが楽しみなバンドのひとつと言えるでしょう。
(伊東 潔)