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山下達郎 Performance 2024 レビュー

2025.01.19
夏の歌3連発 (Performance 2024)

夏の歌3連発 (Performance 2024)

山下達郎

(2024)

#Tatsuro Yamashita Performance

山下達郎 Performance 2024、7月から12月 (延期で1月) までの21都市43公演が終わりました。筆者は7月12日の三郷市文化会館大ホールに参加することができましたので振り返ります (写真はツアーパンフより) 。

山下達郎 Performance 2024

1. SPARKLE - For You (1982)
2. LOVE'S ON FIRE - Softly (2022)
3. 人力飛行機 - Softly (2022)
4. 夏への扉 - Ride On Time (1980)
5. 僕らの夏の夢 - Single (2009)
6. SYNC OF SUMMER - Single (2023)
7. PAPER DOLL - Go Ahead! (1978)
8. ポケット・ミュージック - Pocket Music (1986)
9. シャンプー - Pocket Music (1986)
10. ONLY WITH YOU - Big Wave (1984)
11. I LOVE YOU PARTU - Big Wave (1984)
12. クリスマス・イブ - Melodies (1983)
13. 蒼氓 - 僕の中の少年 (1988)
14. さよなら夏の日 - Artisan (1991)
15. メリー・ゴー・ラウンド - Melodies (1983)
16. 今日はなんだか - Songs (1975)
17. LET'S DANCE BABY - Go Ahead! (1978)
18. アトムの子 - Artisan (1991)

19. パレード - Niagara Triagle (1976)
20. RIDE ON TIME - Ride On Time (1980)
21. 恋のブギ・ウギ・トレイン - Joy (1989)
22. YOUR EYES - For You (1982)

「Sparkle」、続く初演の「Love's On Fire」はおいしいサプライズ、リズムパターンがライブで活きます。「人力飛行機」を挟んで、M4-M6は「夏の歌3連発」。すごくいい。1980、2009、2023の曲たちに一体感があります。

舞台は前半の佳境に入り「Paper Doll」、マニアックツアー (2014) 以来となる珍しい「ポケット・ミュージック」と演奏。続いてエレピに移動して「シャンプー」を弾き語りで。なお「シャンプー」の前に「ドリーミング・デイ」をお話しがてら途中まで演奏。この半演奏はツアー最後まで続いたそうなので、セットリストに入れてもよさそうです。

アカペラコーナーは「Big Wave40周年が何もできなかった」とのこともありM10/11の選曲。「Only With You」は通常のアカペラとは違い、アレンジの骨格がわかる演奏つきのもの。なお『Big Wave』製作の話はパンフでたっぷり読めます。そして舞台はいよいよ「クリスマス・イブ」へ。

続いて今回の祈りの楽曲は「蒼氓」。「さよなら夏の日」ではとても珍しいワイヤレスマイクで左右の袖まで出てのパフォーマンス (氣志團万博の感じ) 。「メリー・ゴー・ラウンド」を演じ、大団円のM16/17/18へ。「アトムの子」は期せずして、11月に亡くなった谷川俊太郎さん (テレビのアトム作詞) への追悼になりました。

アンコールを含め、全22曲 (22.5曲?) 、2時間45分のパフォーマンス。
最後に達郎さんの「寛容と冷静」という観客を励ます言葉が心に残りました。



《三郷》
山下達郎のツアーの初日は、東京近郊の会場が使われます。三郷は東京だか千葉だかよくわからないれっきとした埼玉県。急遽三郷になったとのことで、舞台仕込み、通しリハを含め3日貸してくれるところに苦労しているそうです。三郷市文化会館大ホールが当たりで、狭く (二層なのに1300弱、ステージも狭い) 、「デッドで」 (達郎氏) 、ライブハウス感すらありました。音が良く、音の分離もよく、ホールとPA技術とどちらも上手く機能してたと思います。

《選曲とバンド》
今回は上記の22曲構成がツアー最初から最後まで維持された模様です。明るい選曲でした。「夏の歌3連発」が私に残るこのツアー印象です。パンフによると「2023ツアーは新しく入った鳥山氏に配慮した選曲で、2024はレパートリーを広げて行きたい」とのことでした。その答えの一つが明るい選曲でしょうか。バンドの初日の仕上がりは近年の中でも群を抜く高さで、これが半年かけてどう成熟していったのか。先日サンソンで2023千秋楽の音源が放送されましたね。2024の最終形はどうなったのでしょうか。

《おまけとカバー》
何会場かで最終曲前に「Last Step」の演奏がありました。また今回からお楽しみ洋楽 (等) カバーがなくなりました。前回 (2023) も序盤はありませんでしたが、後半戦は「Groovin'」が演奏されました。

《延期》
5公演の延期振替がありました。風邪で咳と痰が止まらなかったとのこと。12月5日のNHKホールでは公演途中での中止。「ポケット・ミュージック」まで歌ったところで取りやめ「Your Eyes」を歌い終演。その後メンバーからの提案で「クリスマス・イブ」くらいはということになり、その場で取り入れた「Bella Notte」「Have Yourself A Merry Little Christmas」に続けて演奏されました。このNHK公演は2025年1月17日に振替られ、千秋楽となりました。


《物販》
カレーとカレー皿がありました。山下達郎の新譜的には『ADD SOME』のアナログ再発があったので、ジャケット絵柄のTシャツがありました。また、10月発売の竹内まりやの新譜『Precious Days』の予約もありました。

(たかはしかつみ)