『Impressions』は、全曲竹内まりや自身が作詞作曲したムーンレーベルでのアルバム3枚(『Variety』、『Request』、『Quiet
Life』)より選ばれた曲と「リンダ」によって構成されているベスト・アルバムである。『Variety』以降、ステージに立つことなく他の歌手への曲提供と、曲が溜まった時点でアルバムを出すという活動形態を取ってきたわけだが、その集大成として『Variety』から10年目にリリースされた。プロデュース
およびアレンジは、夫でもある山下達郎の手になるもの。
高慢でもなく、自虐に陥ることもなく、自然体・等身大なのが竹内まりやの歌に出てくる女性像だ。十代から三十代までの女心の物語を作りだしている。
他の歌手に提供した「けんかをやめて」(河合奈保子)「元気を出して」(薬師丸ひろ子)「駅」(中森明菜)「リンダ」(アン・ルイス)のセルフ・カヴァーは聴き比べてみるのも一興だろう。
ジャケット写真はカート・マーカス。天辰保文による「ポップスの成熟と竹内まりや」という文章、そして山下達郎による曲目解説が付いている。なお、アルバムと同名の写真付き(写真はジャケットと同じカート・マーカス)語り下ろし本がロッキング・オン社から1994年10月に発売された。
なお2000年秋に新しいアルバムが出る予定だそうだが、18年ぶりのコンサートを経てどんな作品を聴かせてくれるのか楽しみである
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