Melodies

LP MOON28008 1983.6.8 MOON/ALFA
CD 38XM1 1983.11.28 MOON/ALFA
CD 32XM27 1986.12.21 MOON/ALFA (Remaster '90)
CD AMCM4150 1992.11.10 MOON/MMG
CD WPCV-10020 1999.6.2 MOON/WARNER

1.
悲しみのJODY (She Was Crying)
山下達郎 山下達郎
2.
高気圧ガール
山下達郎 山下達郎
3.
夜翔 (Night-Fly)
山下達郎 山下達郎
4.
Guess I'm Dumb
Brian Wilson Mike Love
5.
ひととき
山下達郎 山下達郎
6.
メリー・ゴー・ラウンド
山下達郎 山下達郎
7.
Blue Midnight
吉田美奈子 山下達郎
8.
あしおと
山下達郎 山下達郎
9.
黙想
山下達郎 山下達郎
10.
クリスマス・イブ
山下達郎 山下達郎

 ムーン・レコード移籍第一弾の本作は達郎30歳にしてソロ通算10作目と節目の作品になったが、それ以外にもさまざまな意味でターニング・ポイントとなった。
 まず、それまで吉田美奈子が詞の大半を書いていたが、この作品から全面的に達郎本人が作詞を手がけるようになった。30歳を迎えて自分の言葉で男のロマンティシズムを表現したかった、と表明しているとおり、自らの体験も踏まえた私小説的で耽美な詞の世界が展開されており、80〜90年代におけるシンガー・ソングライター的アプローチの出発点となっている。また、自ら作詞を手がけたことによって、アルバム全体の印象がより内省的になり、特に「悲しみのJODY」でファルセットとともに展開される叶えられない愛や 「メリー・ゴー・ラウンド」でのペシミズムにあふれた疎外感などはこのアルバムのひとつのテーマとなっている。これ以降の彼の作品ではこうしたロマンティシズムと、ある種のイリュージョンを内包したより深い味わいの作品が増えていく。
 そして、アルバムの最後にひっそりと収録された「クリスマス・イブ」はその後6年をかけてチャートの1位を獲得し、彼の代表作となっただけではなく、"夏だ、海だ、達郎だ"というリゾート・ミュージックのイメージから"冬、クリスマスといえば達郎"へとパブリック・イメージをも大きく変えることになった。
 バンド・アンサンブルを重視した本格的なマニュアル・レコーディングとしても最後の作品となり、これ以降長いデジタル・レコーディングとの格闘が始まるのである。(脇元和征)

 

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