『Gonna Take A Miracle』でのカヴァーを除くと Laura Nyro はそれほど多くのカヴァー曲を歌っているわけではありませんが、ここで、今度は彼女がカヴァーした曲について書いてみることにしましょう。

 「Up On The Loof」(G.Goffin/C.King)アルバム 『Christmas And The Beads Of Sweat』に収録。彼女にとって Carole Kingはかつてラジオから流れていた多くのヒット・ソングを作曲した憧れの女性でもあったであろうし、同じニューヨークを舞台に活動を続けるソングライターの一人として、常に道しるべとしてきた人であったに違いないと思われます。カヴァーした曲が若いときに耳にしていたであろうこの曲であったということにそうした一端を感じます。オリジナルはThe Drifters。

 「Sexy Mama」(H.Ray/A.Goodman/S.Robinson)アルバム『Smile』収録。The Moments のヒット曲。アコースティック・ギターの音色とJoe Farrell のサックスが穏やかな印象を醸し出しています。『Smile』は彼女の母親に捧げられているアルバムでもあり、そういう意味合いも含まれての選曲でしょうか。

 「High Heeled Sneakers」(R.Higginbottom)アルバム『Live At The Bottom Line』収録。Jerry Lee Lewis のロックン・ロールの古典。ライブでは「The Confession」とのメドレーで披露しています。ライブではこういう形で若いときに聴いていた曲も演奏されることが多かったのではないでしょうか。

 「La-La Means I Love You」(T.Bell/W.Hart)アルバム『Live At The Bottom Line』収録。「Trees Of The Ages」と「Up On The Roof」とのメドレーで一節歌われます。オリジナルは The Delfonics の珠玉のソウル・バラード。The Manhattan Transfer とも共演しています。

 「Oh Yeah Maybe Baby(The Heebie Jeebies)」 (P.Spector/H.Hunter)アルバム『Walk The Dog & Light The Light』収録。1961年の The Crystals 「There's No Other Like My Baby」の B 面に収められているスペクター・サウンド。Laura Nyroはこの曲を印象的なア・カペラのイントロから始めています。アレンジ、演奏、歌唱のいずれも彼女のオリジナルとも言えるテイストです。シングルの B 面という渋い選曲がどうしてなされたのかは定かではないのですが、センスの良さが光っています。

 「I'm So Proud(C.Mayfield)/Dedicated To The One I Love(L.Pauling/R.Bass)」アルバム『Walk The Dog & Light The Light』収録。Curtis Mayfield の作曲で彼の在籍していた The Impressions の曲。これと1961年の The Shirelles のドゥワップ調のヒット曲をメドレーでつないでいます。やはり、彼女のルーツとも言えるこの2曲をアルバムの最後に持ってきました。



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