Don't Run Away
『The Best Of Bruce & Terry』
Bruce & Terry
Sundazed SC 11052/ CD 1998
 circustown.net初のサマー・サウンド・スペシャルということで、やはり The Beach Boys ははずせないかなあ、と思いつつもいきなりど真ん中もどうかなあとためらっていたら、昼間編は結局周辺人脈とメンバーのソロという線で落ち着いてしまいました。
 Bruce & Terry。この二人、元々は The Rip Chords というグループ名で「Hey Little Cobra」というスマッシュ・ヒットを持っています。Terry Mercher は女優の Doris Dayの息子として、Bruce Johnston は後に Beach Boys の正式メンバーになったことで有名。
 彼らのサウンドは基本的にはサーフィン・ホットロッド・サウンドですがセッション・コンビらしくちょっとインテリジェンスがあったりして玄人好みかな。特にバラードには秀逸なものがあります。Bruce Johnston と Mike Love が共作した「Don't Run Away」はすばらしいバラード。山下達郎氏はこの曲をモチーフに「Only With You」を作曲したと言われています。浜辺の木陰でのんびりと聴いていたい優しいサウンド。


(脇元和征)


 Dennis Carl Wilson。 The Beach Boys の末弟。メンバーの中で唯一サーフィンを楽しみ、そのルックスの良さもやんちゃ加減も Beach Boys のひとつの象徴のような存在でした。そんな彼の歴史に残る唯一のソロ・ワークス。プロデュースは彼自身とGregg Jakobson。アルバムを聴いて感じるのは、彼こそが最も Brian WIlson を尊敬し彼に近づこうとしていたのではないかということ。アルバム1曲目の 「River Song」のスケールの大きなサウンドや「Thought Of You」での喪失感をにじませた愛の歌などからは Brian に通底するものを感じます。何と言ってもシングル・カットされた「You And I」は甘い Dennis の声と美しいメロディ、そして青い波間を揺れるエレクトリック・ピアノの音色が涼しさを誘う名曲。Hal Blaine や James Jamerson といった大物がバックを支え、最近再評価の機運が高まっているあの、Curt Boettcher もコーラスで参加。地味ながら全体にずっしりとした音づくりがすばらしいアルバムです。


(脇元和征)

You And I
『Pacific Ocean Blue』
Dennis Wilson
Caribou ZK 34354/CD 1977/1991





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