Summertime
『My Name Is Albert Ayler』
Albert Ayler
Debut/Tokuma Japan TKCB-70315/CD 1994
  喧騒の夏の街から少し寄り道をするために駅のホームで次の電車を待っていると、夜の闇の向こうから聞えてくる音。ホームに立ち止まり、周りの人の声や見慣れた蛍光燈の灯りがなければ、その音の誘いで闇に吸い込まれるかもしれない。そんな曲がこの曲かもしれない。
 George Gershwin のあまりにも有名な「Poggy & Bess」の「Summertime」。いろんなシンガーや演奏者の名唱、名演は数々ありますが、ジャズのサキソフォン奏者 Albert Aylerの「Summertime」もその中の一つに挙げられるでしょう。
 34歳で不慮の死を遂げたフリー・ジャズの旗手、今も「Spiritual Unity」などファンの多いミュージシャン。初々しい自分の声の自己紹介から始まるアルバム「My name is Albert Ayler」は、彼が欧州へ兵役に就きそのまま滞在、コペンハーゲンで録音されました。
サックスの一音、一音がまさに泣いているように、押さえられない感情のほとばしりをストレートに発するのです。喜怒哀楽の「哀」の表現といえばいいのでしょうか。遠くからその音を聞くと、夏の闇に誘われるような気がするのは私だけでしょうか。


(伊東潔)


 2000年も早いもので半年が過ぎ、梅雨明けが待たれる季節になりました。夏休みの計画を立てていらっしゃる方も多いことでしょう。
 Bobby Goldsboro。オールディーズ・ファンの方なら、すぐ全米ヒット・チャートNo.1の「Honey」のメロディを思い起こすと思います。もともとはカントリー&ウェスタン系のシンガーで、ポップスのフィールドへ出てきたように記憶しています。「I'm A Drifter」、「Watching The Scotty Grow」などの軽快なヒット曲でも知られています。
 「Summer(The First Time)」は年上の女性との淡い恋を海辺の潮騒の音とアコースティック・ギターをバックに描いており、包み込むようなBobby Goldsboro のヴォーカルが懐かしく魅力的です。


(伊東潔)

Summer(The First Time)
『Summer(The First Time)』
Bobby Goldsboro
United Artists UA-LA-124-F/LP 1973





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