知り合いのアメリカ人に聞くとクリスマス・ツリーを飾ってクリスマスの準備を始めるのは感謝祭が終わってからだとか。そこいくと日本のクリスマス・シーズンのスタートのなんと早いことか。我が家もご多分に漏れず毎年11月初旬には早々とクリスマス・ツリーを出すのが年中行事で、その時には必ずクリスマス・ソングをかけながらというのが習慣になっています。今年は庭にファッツアルバートというカナダ原産の針葉樹を植えました。クリスマス・ツリーのようなその木を早速ライトアップしました。まだ僕の背丈ほどのその木の一角だけが寒いカナディアン・ロッキーのような気がして雰囲気も盛り上がっています(笑)。ゆっくりと成長するこの樹にいつのクリスマスにも飾り付けが出来るように静かに祈ります。
さて、ツリーを飾る時に無意識のうちに何度もかかるアルバムがいくつかあって、これもその一枚。数年前にこのアルバムが店頭に並んだ時アーティスト・クレジットを見て、驚くと同時に喜ばれたファンも多いのではないでしょうか。Roger Nichols And "A" Circle Of Friends として発表された彼らの実に28年ぶりの新作だったのですから。そしてその内容はこの季節に聴くにふさわしいしっとりと暖かいものでした。Roger Nichols の作曲家としての長いキャリアを辿るかのように、きら星のような名曲が並びそして彼が依然現役の作曲家であることを認識させられる書下ろしの曲がその旧作の間を何の違和感もなく埋めていきます。旧作のセルフ・カヴァーと新作が交差するまさに彼の集大成的な内容であり、作為的なところのないオーソドックスなアレンジが曲のすばらしさを引き立てています。