第回 : 森 勉さん



『再会の時』〜『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
70年代オールディーズとの再会

-もっと若い頃はヒットパレードやポップスを聴いていたのがだんだんと時代にアジテートする音楽に興味が移ってきたわけですが、そういったことに関して違和感など感じませんでしたか?
 そういうことはありませんでした。やはり中学生と大学生だとものの考え方も違ってくるということなんでしょうね。歌で世の中が変わるんじゃないか、そういうある種の幻想もあったと思います。

-70年代の洋楽はどんなものを聞かれていたんでしょうか?
 James Taylor とか Carole King とかね。大学の2年生くらいですかね。Carole King の『Tapestry』が出たんですけど、みんないい曲なんですよ。ライナーノーツは朝妻一郎さんが書かれていたんですけど、そこに Carole King が60年代はじめに作曲したヒット曲がたくさん紹介されているんですよね。そこから60年代に戻れるんです。

-60年代当時は、これは Carole King の曲だって分かって聴いていたわけじゃないんですね。
 Carole も Barry Mann もなんにもそういうのはなかったんですよ、僕は。やっぱり子供の頃って裏方よりも表に見える人ですよね。それで大学生くらいになると、裏方さんも見えてくるようになってきて、なんだあこれも Carole King かみたいなのがいっぱい出てきて、そこで忘れていたオールディーズに戻れたんですね。

『Super Oldies』と『CRUSIN'』
-やっぱり Carole King が自分で「Will You Still Love Me Tomorrow?」とかを歌ったのも大きいですよね。
 「Natural Woman」とかも Aretha Franklin のものだったのが、Carole King が自分で歌うとこうなるのかっていうのがあったし。

-1973年くらいに世界のオールディーズ一大復活ブームがあったじゃないですか、あれも Carole が引き金になっていたんですか?
 理由は良く分からないんですけれども、「アメリカングラフティー」っていう映画の影響が強かったんじゃないですか。僕自身もあの映画を見てサントラ盤買って。知ってる曲もあったけれど、知らない曲がこんなにあって、すごくいい曲ばっかりだっていうのがあって、それから戻っちゃったんですよね。

 その当時手に入りやすいアルバムで、こういう『Super Oldies』っていうシリーズを輸入盤屋で見つけたんです。これがいろんなレーベルの曲が、知ってるの知らないの含めて入っていて、10いくつまで出ていたのを全部買っちゃって、これでいろんな曲が聞けましたね。それとあと『CRUISIN'』っていうシリーズがあって、アメリカの放送局でかかっているようなDJ入りのレコードなんです。ジャケットも面白かったんですよ。何か聴いてみましょうか。あんまりかかんないような曲がいいですね。Jewel Akens の「Birds And The Bees」。すっかり忘れちゃってたんですけど、こういう曲なんかも当時FENとかでよく聞いていて、レコード買ったら入っていたんですごく嬉しくって。けっこうヒットしたんですよね。1965年3位ですからね。オムニバス盤は曲がたくさん入っていて、重宝しました。



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