第2回 : 宮治淳一さん


宮治さんが選んだ
Down Town

Petula Clark
1964 / テイチク US-105
 小学校3年の冬に流行っていた曲です。当時370円。ほんとにいい曲だと思ったんですが買えなくてね。高校1年の時、平塚に「ペリオ」という中古レコード店ができて、現在はオーナーが亡くなってもうないんですが、その時初めて買った「初めての中古レコード」でした、念願かなって(笑)。64年のレコードを70年に買ったという。Tony Hatch の作品、曲といいアレンジといい珠玉の名曲とはこのことですね。何回聴いてもいつも新鮮。なかなかこういう曲はないですね。
Let's Ride

Roger Nichols And A Small Circle Of Friends
1968 / A&M 946
 アメリカのレコードを買い回って、アルバムに入ってないこの曲を見つけて、あまり良くないのかなあと思って聴いてみたら、実にいい曲だったんです。Roger Nichols は「The Drifter」が出た後、A Small Circle Of Friends としての活動を終わったんですが、もし2枚目のアルバムが作れたら凄いアルバムになったのではないか、そういうことを予期できる曲でした。これがきっかけになって Roger Nichols の作品、他の人が歌った曲のリストを作るようになりました。
Don't Seem Right

Barry Mann
1975 / RCA PB-10319
 元々作曲家として好きだったんですけど、いわゆるシンガー・ソングライターみたいな音楽があまり好きではない頃があって、80年代に入ってから改めて Barry Mann の作品や本人が歌っている作品をよく聴くようになりました。この「Don't Seem Right」を聴いて思ったことなんですが、「Who Put The Bomp」は別として、これだけ表現力のある歌い方ができる人が何故か自分自身ではまったくヒットを出せずに他の人に書いた曲は5年に一度くらいのペースでヒットを出し続けている。Carole King の成功やいろいろな人から薦められたという話ですが、この人は作曲家で歌唱はダメ・・・、というような悪い出来ではまったくない。ヒットしなかったのは不運としかいいようがないですね。この前調べたら一応 Barry Mann の70年以降のシングル盤は全部持っていることが判明しました。




OPEN 15:00〜22:00
休館日 日、月、火および第4土曜日


Tel/Fax : 0467-85-3818
E-Mail : brandin@beige.ocn.ne.jp
253-0031 神奈川県茅ヶ崎市富士見町1-2


取材を終えて
 レコードの館、Brandin を訪れた我々はまず溜息。あ〜、これが自分の部屋だったらと(笑)。
 店内の置物1つ1つがとても洒落ていて、ここでくつろぐお客様の気持ちを和ませてくれているようです。その素敵な空間の演出は宮治さんの奥様で、お店の毎日を切り盛りしていらっしゃる、宮治ひろみさんのお力によるものと感じました。宮治ひろみさんは翻訳のお仕事もされており、これまで「エド・サリバンショー」のビデオの日本語字幕スーパーやCDライナーの日本語訳などを手掛けていらっしゃいます。
 お店の入り口にある「Cafe」のネオン管は、先の「山下達郎パフォーマンス'98−'99」の舞台に飾ってあったもので、公演が全て終了したときに宮治さんが達郎さんからいただいたもの。
 宮治さんから楽しいお話をお聞きしていたら、あっと言う間に時間が過ぎていきました。もっとこの場にいたい衝動を抑えつつ、宮治さんにお礼を告げ Brandin を後に・・・。我々が店の外に出た時にはもう夕暮れ。「Cafe」のネオン管に明かりが灯り、Brandin の白い壁を鮮やかに染めていました。
 皆さんも是非、一度 Brandin に足を運んでみてはいかがでしょう。きっと、良い音楽と共に、とっておきの時間が過ごせますよ。

聞き手:脇元和征/高瀬康一 構成:富田英伸 写真:荒瀬俊也



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