「雨に唄えば」。ライオンがガオッと吼えてはじまるMGM映画。映画の面白さに気付く高校生のころの僕を惹きつけたのが、MGMのミュージカルでした。全編、歌と踊りとソフトな恋愛。スタアは Fred Astaire、Bing Crosby、Judy Garland、...そしてミュージカルの大将 Gene Kelly。「雨に唄えば」は、彼が土砂降りの雨の中、スクリーン狭しと唄い踊る、大変有名で楽しい曲です。
Gene Kellyは、あまりハンサムという感じじゃなく、体型もスマートというよりガッチリ。ダンスも華麗というよりは運動神経が先に来る感じ(そうだ、市川猿之助さんだ)。そして歌が美声じゃないと思うんだけど、泣かすところ泣かしてくれる。このシーンの彼は40度の高熱を押して撮影した、とかいう逸話があって、それにも大変感心したりしました(今考えると、この手の逸話は大げさなのが山ほどあったんですけど、それが映画少年にはまた重要だったのでした)。