1978.01.20
LP(英) Virgin V2095
1978.03.25
LP(日) ビクター VIP-6904 *1
1984.03
LP(英) Virgin OVED60
1987.03
CD(英) Virgin CDV2095
1989.03.01
CD(日) ヴァージンジャパン VJD-28106
1992.04.01
CD(日) ヴァージンジャパン VJCP-23132






LP
A-1
Radios In Motion
Partridge
A-2
Cross Wires
Moulding
A-3
This Is Pop
Partridge
A-4
Do What You Do
Moulding
A-5
Statue Of Liberty
Partridge
A-6
All Along The Watchtower
Dylan
B-1
Into The Atom Age
Partridge
B-2
I'll Set Myself On Fire
Moulding
B-3
I'm Bugged
Partridge
B-4
New Town Animal In A Furnished Cage
Partridge
B-5
Spinning Top
Partridge
B-6
Neon Shuffle
Partridge

CD
01
Radios In Motion
Partridge
02
Cross Wires
Moulding
03
This Is Pop
Partridge
04
Do What You Do
Moulding
05
Statue Of Liberty
Partridge
06
All Along The Watchtower
Dylan
07
Science Friction *2
Partridge
08
She's So Square *2
Partridge
09
Dance Band *2
Moulding
10
Hang On To The Night *3
Partridge
11
Heatwave *4
Moulding
12
Traffic Light Rock *5
Partridge
13
Instant Tunes *6
Moulding
14
Into The Atom Age
Partridge
15
I'll Set Myself On Fire
Moulding
16
I'm Bugged
Partridge
17
New Town Animal In A Furnished Cage
Partridge
18
Spinning Top
Partridge
19
Neon Shuffle
Partridge



Personel:
Andy Partridge(g,vo)
Colin Moulding(b,vo)
Barry Andrews(kb)
Terry Chambers(ds)
Producer:
John Leckie
Engineer:
John Leckie
Recording Studio:
The Manor (Oxfordshire)



*1 日本盤 LP では裏ジャケットとレーベルの曲名がいくつか異なっている。ジャケットの方が当初の曲名。
LP
Title in LP Sleeve
A-1
Radios In Motion
Partridge
A-2
X Wires
Moulding
A-3
This Is Pop
Partridge
A-4
Do What You Do
Moulding
A-5
Statue Of Liberty
Partridge
A-6
All Along The Watchtower
Dylan
B-1
Atom Age
Partridge
B-2
Set Myself On Fire
Moulding
B-3
I'm Bugged
Partridge
B-4
New Town Animal
Partridge
B-5
Spinning Top
Partridge
B-6
Neon Shuffle
Partridge

*2 3D-EP (12"EP)
*3 'Statue of Liberty' Single
*4 'This Is Pop?' Single

*5 Guillotine (Virgin VCL5001, 1978/02)は Virgin レーベル所属の New Wave Group を集めたコンピレーション10"EP。他には Moters, X-Ray Spex,Penetration など。Rocky Erickson なんて名もある。

Guillotineの再発盤。番号だけが違う(OVED169)

*6 'Are You Receiving Me?' Single

 記念すべき彼らのデビューアルバムです。
 この頃の XTC は典型的な New Wave Band でした。今の彼らとは大違いで、基本的には若気の至りの勢い余ったビート・ロック主体です。でも「まだ音楽的に稚拙で未熟な時期か」などと侮ってはいけません。既に只者ではないセンスが垣間見えています。
 音楽的主導権は殆どの曲を作曲している Andy と共に Barry が握っており、彼特有のキーボードが全ての曲で縦横無尽に駆け巡っています。1977年はテクノポップが流行りはじめた頃ですが、彼のプレイは無機質なテクノ調というよりは、Jon Lord などブリティッシュ・ロック・オルガニストの New Wave 版というタイプで、キーボード弾きまくりを得意としてました。この Barry と Andy の個性のぶつかり合いが初期 XTC の基本スタイルを形成していました。
 当時の代表曲といえば「This Is Pop」です。冒頭や間奏のギターのフリーキーなフレーズが刺激的ですが、それでいて Pop。知的な印象を受けるが気取りがない。まさしく「ひねくれポップ」というか、なかなか一筋縄ではいかない音楽性の片鱗が現われています。
 音楽性の豊かさという点では、Bob Dylan の名曲「All Along The Watchtower」も原曲とは似ても似つかないアレンジで料理されています。いわゆるホワイト・ファンク調で、丁度 Talking Heads がAl Green の「Take Me To The River」をカバーしたのと同じセンスですね。あるいは Japan が Marvin Gaye の「Ain't That Peculiar」を独自の解釈でカバーしたケースの方が近いかも。カバーのお手本の様な一品です。Colin のうなりまくるベースと Andy のブルースハープ(!)が恰好良い。
 他にもスカ調の「Statue of Liberty」、これまたファンク調の「Spinning Top」、同時期のテクノ系バンドに影響を与えたであろう「Neon Shuffle」とバラエティに富んでおり、引き出しの多さが伺えます。Colin も既に作品を提供しており、まだ独自の世界は確立していませんが、本作中で最もパンクな「Cross Wires」や「I'll Set Myself on Fire」などの佳作を残しています。
 聞き直して全体的に感じたのは、ハツラツとして肯定的な印象が強いことです。「怒りと否定の音楽」パンクの時代にしては明るくて、パンクよりは Stiff レーベルなどのパブ・ロックの世界の方が近かったのかなとも思いました。この頃から時代のメイン・ストリームから少しでも距離を置こうとする気質が養われたのかと考えてしまいます。
 それにしても Andy も Colin もこの頃は22〜4歳。当然ですが声が若々しいです。歌いっぷりも今とは全然違って声もひしゃげてますし。このデビューアルバムを聴く度に「思えば彼らも遠くへ来たもんだ」という感慨に耽るばかりです。




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